第4話迷っているなら

 転校生が来たその日

全ての授業が終わり、帰りの準備中に、ムスッとした顔で、ミクがスカイを呼んでいた


「ねー、スカイ!」

 バンっと机を叩くミク

「なに?」

 もの応じせず、マイペースに帰る準備をするスカイ

「こっちが聞きたい。さっきのなに?」

 ミクはスカイの態度にイライラがヒートアップしていく


「さぁ?」

 スカイは首をかしげ、適当に答える

「さぁ?って……ほんとーに最近、態度わるいね!」

 スカイの机のそば、叫ぶミク


 すると、クラスの人達に囲まれていたハルが、ミクとスカイの所へやってきた


「はじめまして」


 二人に向かって話しかけてきた

予想外の事にクラスがざわつく


「はじめまして…」

 二人も予想外の事に、戸惑う

「少しよろしいですか?」

 ハルはスカイに話しかける

「へ?」

 思わずきょとんとするスカイ

「スカイ?!あ、私も!」

 ミクがそんな二人の様子に慌てた様子で手をあげながら、割り込む


「そうですね、ぜひ」

 そんなミクの様子にも無反応にそう答えるハル

「えっ……いいの?」

 聞いときながら、ミクも予想外の返事にきょとんとする

「あのー、さっきからなんなの?」


 ハルに誘われ廊下を歩くミクとスカイ

だが、転校生という珍しさと美貌に、廊下で出会う人達にちらほらと注目を浴びている


「なんか…」

「凄まじい違和感…」

 二人はハルを先頭に、少し照れながら歩く

突然、ハルがくるっと回り二人の方を向く


「失礼、お二人名前は?」


「あっ、私はミク・メモナ、こいつは、スカイ・モグム」


「こいつ…」


「ミクさんとスカイさんですか。これからよろしくお願いしますね」

 ペコリと頭を下げるハル

「も…もちろん!よろしく」

 ミクもつられて、頭を下げる


「なんなの?本当に…」


 スカイが呟いた瞬間、ミクの動きが止まった

再び時が止まったように、みんな動かない


「まただ……」


「何を迷っているのですか?」

 ハルがスカイに話しかける

「迷ってる?」

 スカイはハルに不思議そうに答える

「心、身体、貴方が思うままに進めばいいと思うのですが……」

 ハルはふぅとため息をついた

「どういうこと?」



「どうしたの?二人」

 動きが戻ったミク

ハルとスカイを不思議に見ている


「えっ?」


「すみませんが、職員室へ案内してもらえますか?」


 ペコリと頭を再び下げて、ミクにお願いをする


「もちろん!あっちあっち!それに敬語なんて要らないよ!」


 ミクはハルの手を引き、歩き出す

スカイは立ったまま動かず、二人の後を見届けている


「……迷ってること」

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