第9回『変態仮面』
【ストーリー】
高校で拳法部に所属している色丞狂介(鈴木亮平)は、同じクラスに転校してきた姫野愛子(清水富美加)に、一瞬にして心を奪われてしまう。ある日、姫野が銀行強盗事件に巻き込まれてしまい、人質となってしまう。彼女を助けるために覆面をかぶって強盗に挑もうとするも、何とかぶったものは女性用のパンティーだった。ところがその瞬間、これまでに感じたことのない感覚が体中をよぎり……。
女性のパンティーを頭にかぶることで、人間としての能力が飛躍的にパワーアップする主人公の悲喜こもごもを映し出す。
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私は、一見皆さんが見るのに抵抗がある(勇気がいる)かもしれないこの作品に、スピリチュアルを感じた。これは、すごいと。
確かに、見た目は『変態度100%』の、おバカ映画だ。
しかし、ここに込められたメッセージは、今の時代に本当に必要なものである。
変態仮面は、自分の魂の底から突き上がってくる『変態パワー』を原動力として強くなっている。日々、群がる敵をそのパワーで倒し続けた変態仮面だったが、ある時強敵が現れる。
それは、自分と同じような格好をした『ニセ変態仮面』であった。
しかし、それは弱い、単なるニセモノではなかった。
その変態度において、本物の変態仮面を上回っていたのだ!
ニセ変態仮面の告白を聞いて、オリジナルはこういう思考に囚われてしまう。
「オレなんかより、これはもっとすごい変態だ!
こいつに比べたら、俺などノーマルだ……」
ニセ変態仮面に、お前などまだまだノーマルだと言われしょげ返った変態仮面は、すっかり自信を失い、変身することすらできなくなってしまう。
大好きな女の子を敵に連れ去られ、自らの非力を嘆く変態仮面。
救いたい。しかし今のオレでは、ニセ変態仮面には勝てない——。
しかし、ここで彼はある重大なことに気付く。
彼は、『変態』というひとつのカテゴリーにすぎない部分に、固執していた。
つまり、変態度において勝つか負けるか、という狭い尺度に囚われていたのだ。
当たり前で笑える話だが、何も変態度で敵に勝らなくても、勝てる方法はいくらでもある。別のことで、相手を倒せさえすればよい。
それに気付いた変態仮面は、ニセ変態仮面に再度挑戦する。
決して変態度で勝ろうとするのではなく、愛する者を守りたい、というエネルギーでもって。
そこで、ニセ変態仮面のあっぱれな一言。
『——お前、よくそこに気付いたな』
私たちも、日常において変態仮面と同じ問題に囚われていないだろうか?
たったひとつのカテゴリーの中で競争し、その結果がすべてであるかのように感じていることが。
受験、というものもそう。学校の成績、会社での成果。
スポーツにおいても。芸事においても。
実力だけでなく、賞や人気度でもその値打ちを数値にして測れる。
劣等感を抱く人や、自己肯定ができない人の特徴は——
どこかのひとつのカテゴリーだけで自分の価値を定め、それが自分の価値のすべてであるかのように勘違いする(自分と、ある側面での自分のランキングを同一化する)ことである。
ブログでも、『人気ブログランキング』というものがある。
得てしてそういうものに一喜一憂しがちであるが、それも所詮一側面での狭いジャッジである。
占いと同じで、それを楽しむ分には気にすればいいが、落ち込んだり焦ったりするのなら、無視すればよい。
心配しないで。
あなたは、宇宙である。
宇宙そのものである。
だって、あなたが創ったのだから。
あなたの中から出たものだから、あなた自身でもある。
ただ、ゲームを楽しむために、あえて出力をセーブしている。
50ccのスクーターバイクが時速60km以上でないように、リミッターが付いているようなもの。
例えが甘いな。もっと強烈に制限しているかも(笑) 。
だって、神であることを忘れたのだから!
その神(この世界の創造主)が、あなたというキャラを選んだ。
相手は、ヘボ選手を間違ってスカウトするような、ヘボ野球エージェントとは違いますよ? なにせ神ですから。
あなたのエゴは、あなたをダメだという認識に閉じ込めておきたいかもしれない。
でも、そんな策略に引っかかる必要はない。
確かに、野球ではダメかもしれないし、勉強では人に勝てないかもしれない。
●でも、勝負するフィールドは無数にある。
このことを、忘れるべきではない。
あなたには、『何かが』ある。
絶対にある。
そこさえつかめば、他で競争してどんなにダメでも、帳消しになる。
帳消しどころか、補ってなお豊かになる。
あなたも、自分ってダメだなぁと思う時。
世界の中で、自分が取るに足らない存在に思えた時。
変態仮面を思い出してください。
そうだ、何も変態度での勝負にこだわることはなかったんだ!
(もちろん、あなたのことではないですよ!)
私は、私であるだけで、すでに宝をもっている。
他でどうでも、それが私の本質ではないし、アイデンティティではない。
もちろん、この世界で生きる上で、カテゴリー別に競争することは避けられない。
だから、『弥栄 (イヤサカ)』という概念が生きてくるのである。
自分が勝って、他は下ではない。他がすごくて、自分はダメでもない。
●私も勝って、みんなも勝つ。
私も栄えて、みんなも栄える。
それが実践されやすいのは、ひとつのカテゴリー内よりも——
それを超えた部分であろう。
それが無理ではなくなる時代に、突入している。
私も、そしてこれをお読みの皆さんも、ともに素敵なミラクルを起こしていこうではないか。
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