あとがき
私は目を
アーモンド型の黄色い眼が二つ…
私は悲鳴を上げて飛び上がってしまった。それも飛び上がった私に吹き飛ばされ、小さく悲鳴を上げた。それが何なのか
「なんだ、お前かぁ、クロ。脅かすなよ…」
”クロ”は怒ったようにフン、と鼻息をついた。
クロは私の飼っている雌猫だ。名前の通り、真っ黒な毛を持つ。典型的な黒猫である。
あの夢に出てきた猫は、クロだったのだろうか。
なぁ、お前私の夢に出たかい、とクロに話しかけると、彼女は、にゃ、と一鳴き、「はい」とも「いいえ」とも取れぬ返事をした。私はそうか、とだけ返事し、目を逸らした。なんだか、彼女の黒い毛並みから闇がせり出してくる気がして、少し怖かったのである。
階段を降り、リビングへ向かう、とそこには金魚鉢が。
金魚が、ひっくり返って死んでいた。
私は驚いて金魚鉢を持ったが、金魚はもう死んでしまっているのであるからどうしようもない。
金魚鉢を持った
鉢は割れてしまい、床に水が撒き散らされた。
クロの口に咥えられた金魚の死骸がどういう運命をたどるのか。考えるまでもあるまい。私自身、体験したのだから…
夢の噺 木魂 歌哉 @kodama-utaya
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