記憶と現在の日

今の日

今日は川辺に行ってみた。

何も無いかと思っていたら、雑草が風で綺麗に揺れていた。

少しそこでボーっとしていると夕方になっていた。

また綺麗な物を見れた。

夕日が見れた。



次の日

特に何もない自室だけど、日の光が窓から入ってきて綺麗だった。

窓は空いていないはずなのにカーテンは揺らめいていた。

綺麗だったんだ。

まぁ、もういい話なんだけどね。



次の次の日

さて、そろそろ本題に入ろうかな?

いや、まだまだ綺麗な物を見つけられる・・・と思っていました。

この日は低い音を出す「ウファー?」っていうスピーカーを見てた。

低い音を出すときに凄く震えてた、カッコよかった。



次の次の次の日

誰なんだ、そろそろ邪魔をしないで・・・。

でも、見続けなきゃ!

この日はあの丘に行ってきた。

あの丘はあの日と変わらず綺麗だった。

でも、何かが違った。

その日は夕日に照らされたアレが無かった。

どこに行ったんだろう?

ちょっと気になりその場所に行くと、アレは砕けて壊れていた。

悲しかった。

でも、それ以上に何も思えなかったし、何もない事に退屈してしまった。

それ以上はやめて、僕の思い出を壊さないで歪ませないで。

退屈した僕は壊れたアレに向かってこういった、「面白くないや。」ってね。

違う!僕はそこで泣いたんだ!僕は悲しんだ・・・、はずなんだ・・・。

違うよ、君は壊れたことによって遊べない、楽しめないと判断したんだ。

今までそうだっただろう?

今まで見てきた綺麗な物を君は君自身で壊してきたんだ。

大人になって、川を汚すことも考えずに利益ばかりに注視して、空気を汚して綺麗な日の光も見れなくなってね?

スピーカーの話なんて幼少期無かったのに歪むことを恐れて違う記憶を作り出したの?

ねぇ、君は結局何を見たかったの?

思いだせる良い事は全て君が壊してきたものたちだよ?


次の次の次の次の日

君は全てに絶望して自殺したってさ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

真っ白なノート 暗闇研究所 @densibuhin

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ