自己啓不発

 就職活動は自分を見つめ直す良い機会だ。ただ学生のなかにはやり方がわからず迷ううちに自己啓発本に頼るのもいる。


 本からヒントを得る。非常に良いことだと思う。だが、何故なんだか、本の画像と感想とをSNSに上げるやつがしばしば。


 なんじゃそりゃ、と。



 普通に小説なりの文学作品に親しみ、その感想をつらつらと並べるのはまだわかる。いちいち投稿するのはどうなのか、とも思わなくもない。だが、教養と広がった感受性とを言及したくなるのは、映画を見て感想を言い合うような楽しさがあるのだと、理解できなくもない。



 しかし、問題は自己啓発本である。「自己」を啓発するためにあるものだ。ちんたら読後の感慨に耽ってる場合ではなく、それによって考え方や行動を変えるためのものだろう。


 読んだ結果で感想文が上手くなれましたじゃ本末転倒というか、自己陶酔の深そうな文を垂れ流すのが多すぎる。


 自分が読む場合は口先だけの不発にならぬよう努めたい。

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