番外編 タカシの聖域2 怪しいクエスト

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[名前]タカシタウン

[職業]建築士

[レベル]18

[ランク]C

[スキル]魔物図鑑、気配探知、戦力測定、建築術、アイテムボックス、俯瞰、投擲術

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突然だが、これは俺のステータスボードだ。何故ユーザー名でタウンを名乗っているかって?それは、洗練された建築術によって、最早俺自身が町になる事が目標の一つだからだ。最終的には、移動要塞とか作りたい。


何せ一日中時間があるのでレベルの上がりもかなり早い方に違いない。この世界で、俺はトップを目指せるんだ。


その為に、今日もこれからランクアップのためクエストを受ける所だ。


「あ?こりゃ何だ?」


非公式クエスト、つまり誰でも発注できる方のボードに貼られている一枚の依頼書を手に取る。


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[推定難易度]C

[依頼内容]タカシの納品

私が求めるタカシを連れてきて。

[報酬]5000G

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「何だこれ!?奇跡的に俺タカシじゃねえか。てことは、俺が行くだけで5000Gも貰えんのか!?」


それに何故難易度Cと疑問に思う。俺はその依頼書をもって、受付の受付嬢に尋ねる。


「なあ受付嬢、俺タカシ。このクエストって難易度Cだけど、そんなに難しいのか?」


『あーはい。そのクエスト、曰く付きなんですよ』


「どういう?」


『先日も、とあるタカシさんが依頼者の所に行ったらしいのですが…『貴方じゃなあい』とだけ言われて、追い返されたらしいんです。それらの対応から、実は何か試練なのではとか、実は凄く難易度の高いクエストなのでは、とギルドの支部長や鑑定士、学者や預言者の間で話し合われ、難易度Cに決定したんです。そもそも、正解のタカシが本当に存在するかすら疑わしいので…』


「そんなのあるのか。でも、俺タカシだから、これも何かの巡り合わせかもしれないな。やってみようと思う。受付嬢、俺はこのクエストを受注する」


『まあ、そうですね。はい、では、タカシの納品ですね。受注完了しました』


ウィンドウの受注クエスト一覧に、タカシの納品が追加される。それをタップすると、依頼主との合流場所が表示された。


これは…、始まりの森だ。どうやらタカシの納品は、始まりの森へ行かなければならないらしい。だがそれだけで5000Gも貰えるかもしれないので、お安い御用だ。


「始まりの森か…。懐かしいな」


ギルド内に設置されているテレポートゲートの俺個人の行き先を、始まりの森内に俺が設置したテレポートゲートに設定する。


ゲートは、隠蔽魔法をかけた森の隠れ家にある。魔物やプレイヤーに見つかって破壊されていなければ、問題なくテレポート出来るだろう。

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