第5話 第2の殺人

 1/22 金曜日


 あの日から2週間が経つ。警察の人はもう来ないとか言う話を聞いた。



 唯斗がいなくなってから、クラス委員長の山原やんばらくんと石上いしがみさんが黒板やら号令やらをやってくれるようになった。

 このクラスは、人数が20人ほどしかいなく、皆係りや委員会で忙しい中、唯斗の仕事もこなす彼等には感謝すべきなのかもしれない。



「本当は俺達がしないといけない仕事かもなのに、なんかごめんな」


「大丈夫よ! クラス委員って言っても本当にする事ないし、このクラス良い人ばっかりだから報告する事もないからね!」

「加涌くんは色々よく頑張った! もちろんこれからも頑張るんだろうけど、僕達も頑張らないとって思っちゃってさ」


 2人とも笑顔で話してくれた。

 優しくて気遣いも出来る彼らを、僕は信じている。



「ここだけの話、あの2人デキちゃってるらしいよ」

 丸聞こえである。だが、俺もあのクラス委員の2人はとてもお似合いだと思っている。

 俺にも転機があればな。っと人に聞かれない程度に呟いた。


 ◇◇◇◇


「なぁ、加涌。唯斗の花瓶ってもう無いのか?」


 俺は唯斗の席を見た。帰りのSHRで気付いたため、教室にいたのが担任とクラス委員だけだったのだ。


 少しショックを受けた俺は、この事を言わずすぐに帰ることにした。クラス委員と担任の話を邪魔しないため。そして、忘れぬうちに早く花瓶を買うためだ。

 2週間も経つと、みんな唯斗がいない事にも慣れてきてるみたいで悲しい。時が流れるって事はとても残酷だ。


 ◇◇◇◇


 1/25 月曜日


 朝イチに学校に来て、お花を生けた。

 担任と話していたら、先生も花瓶と花を持っていた事に気がついた。金曜日のクラス委員との話は、唯斗の花瓶の話だったらしい。

 だが、その花瓶が何処にいったのかは、担任もよく分かってないらしい。


 結局今日持ってきた花瓶は、2つとも使われる事になった。

 僕達が持ってきた花瓶は唯斗の机の上に、担任が持ってきた花瓶は……。


 ◇◇◇◇


 朝のSHRだ。人員を見て俺は、俺達は疑問が浮かび上がった。

 何故なのか。何故、クラス委員の彼等が揃いも揃って欠席しているのかを。そして、何故、あの人の机の上に花が向けられているのか。

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