狩り
太陽が登り、丘に日差しが差し込む。新たな大地から吹き込む風が草葉を揺らし、その時が来たことを告げる。
「進めええ!!」
誰が発した言葉かもしらない。
多くの車が一斉に丘を駆け降り、未知の土地へ我先にとひた走る。一団となっていたそれらは少しずつはぐれ、自らの狩り場を定めて探索を始める。
その中で、ナユタは勘だけを頼りに奥地と思われる方まで走ってきていた。奥地に近い場所を狩り場としたかったからだ。
「新種は飛行型かぁ」
テシェロが呟きながら銃口を向ける。その先には細身の竜といえるだろうナニかが数体飛行していた。
「四足に二翼、体格は人間大で細身だね。あれなら突進されてもナイスが止められる」
「おう!任せとけ!」
「狙いはまず頭、それと翼も狙ってみよう。弱体化するかも。ルナ」
「準備出来てる」
「陣形組んで。けど、すぐに散開できるように」
前に壁役のナイス。その後ろに支援役のアイネ。そこから離れて狙撃役のルナと
テシェロ。空いた中央を挟むように俺とマリアが構える。
「撃て!」
射撃開始。銃弾は頭にヒットし、一体を撃墜する。こちらに気づいた竜達が吠えて
こちらに向かってくる。
「通さねぇ!」
突進を楯で受け、続く一体を剣で叩く。倒すには至らないが、地に落とした。
足止めとしては最上だ。だが、止められた竜の牙の間から微かに緋色が覗く。
「ブレス来るぞ!」
警告しながら矢を放つ。だが、攻撃を止めるに至らない。
「しゃっああ!」
ナイスは警告を聞くなり前に出て、剣を地に刺し、楯を横に向ける。
交差する火炎放射。二体同時の十字放火。それを大楯一つで受けきる。受けきってしまう。
「ナイスぅ!!」
炎を吐き終えた竜に叩き込まれる銃弾。沈黙。テシェロとルナの砲撃でそれらは沈黙した。
「怪我はねぇか?」
「は、はい!ありがとうございます!」
「へへ。こういうときはこう読んでくれ。ナイスガイ!ってな」
「はい!ナイスガイでした!」
「ナイス?胸張って陶酔してるとこ悪いんだが、増援だ」
突撃前の雄叫びだろうか、それとも戦闘音に惹かれたか。十を越える竜がこちらを
見下ろしている。
「よっしゃあ!活躍の機会かかってこいやぁ!!」
剣を抜いて構えるナイス。今にも挑発しそうな勢いだ。
「テシェロと俺が対空を担う」
「オッケー。任せて」
「ルナは降りてきた竜を確実に減らしてくれ。フレドリーファイヤーに気をつけて」
「言われるまでもない」
「マリアはナイスがカバーできない脇を担当。余裕があれば状況を見ていてくれ」
「りょーかい」
「アイネは領域系の支援お願い。アタック、ガード、ヒール。余裕があればナイスにシールドお願い」
「わかりました!」
「あくまで指針で臨機応変に!声かけは忘れずに!来るよ!」
「イエッサー!!」
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