月光

姫亜樹(きあき)

月光

月の光が

水墨画の世界を

碧く染めていく

ぼくらは手を繋ぎ

雪の平原を歩いていく

ともしびから逃れ

静寂の世界をめざし


足元から伸びる影が

黒い森へ繋がり溶けていく

互いの体温のように


ぼくらは

ただ、ひたすらに歩いていく

想いを言葉にすると

安物のおもちゃに変わってしまうから

ぼくらは手を握り

ただ、ひたすらに歩いていく

静寂の世界を目指して

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

月光 姫亜樹(きあき) @Bungo-2432Da

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る