第8話 初めてのダンジョンはキャッキャウフフ!
旧キウラキ鉱山街、その廃墟に探査拠点をきずいた『サガの風』とカンパネッロたちは 旧キウラキ鉱山街、その廃墟に探査拠点をきずいた『サガの風』とカンパネッロたちは周辺の安全確認を行い、調査の対象を旧鉱山内部に絞った。
「鉱山の中だと武器が振れるか心配だったけど、これなら問題ないな。」
坑道内に足を踏み入れたカンパネッロは内部の広さを見渡して自身の得物である大剣を担ぎなおす。
「…カンパネッロさ~ん、油断してはだめですよ~。」
「サリー、後ろから抱き着いて胸をもみながら言うセリフじゃないぞ。」
「…もっと抵抗されると思いましたのに。」
「それはな、……慣れた、というか。」
「キマシタワー。」とか、「やれ~もっとやれ~。揉~み~か~え~せ~!」って声が頭ん中から響いてこなければカンパネッロ、カズマも抵抗しただろう。
しかし、ここに来るまでの道中に少しずつスキンシップが過剰になって来るサリーに、武器の中から念話でカンパネッロが煽って来るものだから、カズマの倫理観も少しずつ侵されて行っていた。
具体的にゆうと「百合物もありだよなぁ~。百合ならロリも合法だよなぁ~。」になっていた。
「すまんがブレスプレートの下に手を入れないでくれ、ずれるから。―――ッ、先っぽを摘まむなぁー!」
「…ごめんなさい、ごめんなさい。ここから先は我慢しますから。」
「そうゆう問題じゃないだろ。」
「おぉ~い、嬢ちゃん。本当にここからはそういう問題なんだよ。」
「こら、見てんじゃねぇよタイケン。」
坑道の調査に来たのは十六夜を除いた、サリー、タイケン、ヤリオ、カウンター、そしてカンパネッロの5人である。
十六夜を残したのは拠点の守りといざという時の連絡係である。
【言伝手】の魔法により会話ができるので情報のまとめ役も兼ねた、オペレーター役である。
「いいもん見せてもらったゼ~。って、そうじゃなくて。ここからはダンジョンになっているから、油断もさっきのスキンシップもおあずけだってことだよ。」
「ここがダンジョンだって。」
「あぁ、いくらキウラキの鉱山が大きいと言っても坑道がこんなに広いわけがない。」
「言われてみればそうだな。閉鎖されているはずなのに妙に小ぎれいだし。」
「ここからは普通の獣じゃなくて魔物が出てくるだろう。」
「今まで魔物を専門にやってこなかったから詳しくないんだけど。」
「じゃぁここで一つ講義をしよう。みんなもいいか。」
皆からの了解を得たことでタイケンが魔物についてのレクチャーをしてくれた。
まとめると、
1つ、
魔物は魔力を持つもので、魔力が大きいほど攻撃が効きずらい。
1つ、
大きな体を持つものは比例して大きな魔力を持っている。
1つ、
魔物には魔法が効きやすい。
1つ、
魔物は大きく3つ分類があり、「生物型」「被造物型」「異界型」の三つになる。
「生物型」はカンパネッロが倒した3つ首イノシシがそれに入る。が、このタイプは大量の魔力が無ければ巨大化はできないので、基本的に大きくても1メートルぐらいがせいぜいである。
「被造物型」は魔術師が生み出した魔物や何らかの魔力源により変異したものである。「生物型」とは異なり倒すと魔力が霧散して元になった物だけが残る。
「異界型」は、そもそも違う世界からの侵入者である。この世界では実体を持っていても倒されると魔力塊である魔石となるのがふつうである。
後者2つの特性と違いそのまま死体が残っていたので、カンパネッロが倒した3つ首イノシシは「生物型」に入るのである。
「って、ところだな。」
「…タイケンって説明下手。」
「だな、うまくまとめれば15行くらいで済むようなことを長々と。」
「せっかくヒトが説明してやったのに。」
「で、ダンジョンの説明ってできるのか。」
「やってやるさ。」
「…ん。それは私がやる。」
任してられるかと手を上げてサリーが立候補した。
「ダンジョンとは魔術師なり自然発生した魔力だまりから生み出されたダンジョンコアから広がる異界である。ダンジョン内にはダンジョンコアと同質の魔力が巡っており、ダンジョン内ではこの魔力から「被造物型」の魔物が定期的に生まれてくる。この魔物は数が増えるとダンジョンを広げるためにダンジョンからあふれて周りに災厄をもたらすことがある。ゆえにダンジョンは基本的には攻略が最優先される。ダンジョンはダンジョンコアを破壊するなり持ちだせば自然消滅するものである。だが、持ち出したダンジョンコアで新しいダンジョンを作ったり、魔術師自身がダンジョンコアだったりして逃げて再起を図ることもある。それでもダンジョンは作るほうも攻略する方にも恩恵が多いので世界中に点在して、冒険者が一獲千金を狙って挑んでいる。…です。」
「おぉー、サリーが何時ものぼそぼそ喋りじゃなかった。」
「…ブイ。呪文の詠唱の要領。」
「いつもそれで喋れば良いのに。」
「タイケンは分かってないなぁ、サリーちゃんのぼそぼそ喋りは個性で、そして可愛い。それが急に冗舌に喋るとギャップでまた可愛いんだ。」
「…ブイ。」
「やっぱり、2人とも変だわ。」
「姉御、タイケンさん。そろそろ行きましょうッス。」
「おう。」
■■■
5人はカウンターを先頭にダンジョンの中に入って行った。
ダンジョンは入り口すぐにあった広場からいくつかの道があったが、どれも5人がそれぞれ距離を開けて進むのに困らない広さを維持されていた。
「天井の高さも3メートルは常にあるな。」
壁や天井はむき出しの岩盤で鉱山の坑道よりかは洞窟に近い雰囲気になっていた。
「前方からゴブリン3匹出現。」
「嬢ちゃん。ここは俺等に任せてくれ。」
そう言ってカンパネッロ以外の4人が前に出る。
「それではお手並み拝見と行きますか。」
「【挑発】。」
4人の中で一番前に出たカウンターが構えた盾に片手に持った鉈をガンガンぶつけてゴブリンたちの注意を引き付ける。
3匹のゴブリンはそれにつられて手に持った粗末な武器でカウンターに攻撃を仕掛ける、が、カウンターは危なげなくこれらの攻撃を受け止める。
カウンターがゴブリンを引き付けている間に左右から回り込んだタイケンとヤリオが一匹ずつに不意打ちを仕掛ける。
タイケンが大剣で背後から背中を斬りつける。
ヤリオは槍でゴブリンのわき腹から胸に向かって串刺しにする。
どちらも一撃で息の根をとっめたのか、ゴブリンは黒いモヤになって消え去った。
残る一匹は正面からカウンターによる盾の殴打を食らってよろめいたところを、カウンターが鉈を顔面に叩き込む。
2回、3回と繰り返したところでそのゴブリンは息絶えて黒いモヤになった。
「どうだ、俺達だってそこそこやれるんだぜ。」
「…油断大敵。【ファイヤーボール】。」
3人が勝利に気を抜いたところで奥の暗がりから3匹のゴブリンが飛び出してきた。
それをサリーが放った、人の頭の倍くらいある火の魔法が迎え撃ち、先頭のゴブリンを飲み込んだところで爆発、残り2匹も爆炎に飲まれて黒いモヤになった。
「…ブイ。」
もう出てこないのを確認してからサリーは皆に向かってブイサインを決める。
「おぉ~、サリーすげぇなぁ。」
「…いえ~ぃ、ブイブイ。」
「おっ、そこは顔の横に手をもってきてピースサインでまぶたみたいにすると可愛いぞ。」
「…こうですかぁ。」
「そうそう、それで顔と腰はこの角度で。」
「…ブイ。」
「ピース。」
「嬢ちゃん達は普通に仲良くなっているな。」
「俺にとっては親以外には、誰かと何日も寝食を共にしたのはこれが初めてだからな。仲良くもなるさ。」
「…つまり、私たちはすでに夫婦。」
「友達から始めましょうよ。」
「姉御、姉御。俺とは、」
「ヤリオとはずっと友だちでいたいよ。」
「告ってもいないのにフラれたぁー。」
「…ざまぁー。」
はっはっはっは、て皆でひとしきり笑い合った。
みんなで笑っていたら、「あれ、なんか俺、今すっごくリア充ぽくないか。」て思ったカズマはちょっと恥ずかしくなっていたりした。
「ソレはともかく、タイケン達も地味に戦えてて安心だぜ。」
「地味は余計じゃねぇかな。そりゃぁ嬢ちゃんや一流の冒険者に比べたら俺等なんかは地味な田舎者だけどさ。」
「ごめんごめん、冗談だってさ。」
「分かっていますよ。我々だけでもゴブリンぐらいは普通に倒せますが、それでもやっぱり20~30匹も一度に出てこられたら逃げに入りますよ。それが普通の冒険者ってものです。」
「コレでもオレ等は手練れなスけどね。」
「じゃぁ質問。」
「ギギギ。」「ギャッギャッギャ!」「ギャフルルルルルルルルルルルル。」「ギャウギャウ。」「ギギギ、ギャウギュアウ。」
「暗いからはっきりしないけど、20匹以上はいそうなアレ、逃げる?」
「う~ん。普通なら逃げるところだよなぁ。」
「じゃぁ今は。」
「嬢ちゃんが普通じゃない。」
「つ・ま・り、やぁ~るぅってぇ~こぉとぉでぇ~いぃんだよなぁ!」
「あぁ、やるぞ。……しかし嬢ちゃん、すっげぇ嬉しそうだなぁ。」
「にゃはははは、そりゃぁもちろん、見てるより楽しいからね。そんじゃぁまぁ、俺が正面からこじ開けるから、皆は横に伸びたのをつぶしてくれ。最優先はサリーに近づけさせないこと。次が俺が取り囲まれないようにすることで、OK。」
「もう本当に嬢ちゃんがリーダーでいい気がしてきた。」
「いくぞ野郎ども、せ・ん・め・つ・だぁぁぁぁぁぁぁ!」
「「「おおおおおお「…おおおおお」」」」
カンパネッロが頭上で1回転させた大剣を振り下ろせば、その一撃だけでゴブリンが数匹まとめてはじけ飛ぶ。余波だけでも周りのゴブリンをのけぞらせる威力で、ゴブリンが体勢を戻す前に2撃目の横薙ぎが放たれるのでゴブリンたちにはなすすべがなく肉片となり、そして、黒いモヤになって消えていく。
その暴力の前にゴブリンたちはモーセの奇跡のごとく左右に割れていく。
そのゴブリンたちの側面を突く形でタイケン達が攻撃を仕掛けて仕留めていく。
タイケン達にとっては最も楽なゴブリン退治になっていた。
「ねぇ、タイケンさん。」
「なんだヤリオ。」
だからこそ、雑談を交わす余裕もあったのだ。
「姉御って魔物のこと本当に知らなかったんッスよね。」
「そこを疑ってどうするんだ。」
「いえ、疑ってないッスよ。それよりも、あの剣って姉御が創ったんスよね。」
「何が言いたい。」
「いやぁ、魔物のことを知らない姉御が創った武器に、魔物に有効な武器として魔石を埋め込むってこと知ってたと思います?」
「――――っあ、」
「姉御のあの武器って、魔石が埋め込まれてないんじゃないッスか。」
「……仮に、魔石があの武器に埋め込まれているならアレも、…………普通じゃないけど納得できる。」
「逆になかったら……。」
「ありえんだろ。どうやったら魔石なしで魔物をあんなんできるんだよ。」
「聞いてみます。」
「それで魔石が無かったとして、改善されたら俺等いらなくねぇ。」
「……デスヨネェー。」
「にゃぁーはははははははははははははは。」
どか、どか、どか、だぱぐちゃちゃべきめりQWHRUGUAJIA。
■■■
その日のうちにダンジョンの攻略はできなかった。
「コレが今マッピングできている物です。」
ダンジョンから拠点に戻ってきた一行に十六夜からモニターしていたダンジョンの情報が渡される。
十六夜は鬼人族の中でも鍛冶と鉱石探査が得意なクロム族と言う氏族の血を引いているらしく、ゆえにダンジョンのマッピングは得意なのである。
「十六夜から見てこのダンジョンの感想は。」
「入ったばかりですが、構造が単純に思えます。ですが、結構大きくなっているでしょう。」
「根拠は?」
「タイケン達が見た内部の景色が洞窟みたいだと言うことと、広さに対して出てくる魔物の魔力が低い点、しかし数だけは多いことを考えると、このダンジョンのコアはそこまで質は高くないが長らく手付かずだったために規模だけは十分な成長を遂げている。っと見ます。」
「質より量、のダンジョンってわけだな。」
実際、今日1日の探索でゴブリンをはじめスライムや岩ネズミなど、数種類の魔物を確認しているが、そのどれもが数十体規模で出てくるのがほとんどだった。
これは実力よりも人数を用意して挑むべきダンジョンである。
しかし、この数の不利をカンパネッロの一騎当千の強さがひっくり返してしまっていた。
結果、本来なら30人規模で挑むダンジョンをナビの十六夜を入れて6人で攻略できそうなのである。
「深さは断言できませんが、場合によってはベースをダンジョン内に移動させる必要があるかもしれません。」
「なら、これからは候補をいくつか見つけておいてくれ。」
「分かりました。それはそうと、今日の戦利品は多いですね。」
「魔物が弱い分倒しても石ころぐらいしか落とさないものなんだが、さすがにあの数やればアタリもそこそこ出るんだよなぁ。」
「実は上位の個体も混ざっていたけど、気が付かなかっただけとか。」
「ありうる。笑いながら魔物を蹴散らす嬢ちゃんの姿はどっちがモンスターか、分からなくなりそうだったからな。」
■■■
そして、タイケンからモンスター扱いを受けているカンパネッロだが、今何をしているかと言えば―――――――――――風呂に入っている。
ここ、旧キウラキ鉱山街は今のキウラキの街と同じく温泉が引かれていた。
廃墟になっている町中にある元公衆浴場も引いてきた源泉をかけ流ししていたものだから、風呂だけは生きていた。
もちろん、管理する者がいない今、周りは荒れ放題で衛生的とはいいがたい。
だが山奥の秘湯だと思えばなんてことはない。
少し周りを片付ける手間をかけても入っておくものだ。
カズマもカンパネッロの体になってから数日が過ぎた。
もはやカンパネッロの体で裸になるのにも慣れたもの――――――――なんてことはなく、服を脱いだ自分の体にドキドキである。
ここで改めてカンパネッロの
醜いモンスターの細かい描写ならクトゥルフ系でもなければ何度もする必要はない。
だが、
異世界転生もので性転換、加えてロリなら何度やったていいだろう。
いや、むしろやらなきゃいけないだろう。
それでは皆さん、思う存分心の目でカンパネッロの
身長は140㎝ほどの小柄な体躯。
お胸はぺったんこ、だけど膨らみかけならば将来に期待。(しかし、何百年かかるかは不明。)
お腹や手足周りは少し筋肉質な感じがするキュッと閉まってスラっと伸びたスレンダー系。
しかしてほんのりと乗った脂肪が女の子としての柔らかさを感じさせている。
おっと、最初は掛け湯をするために湯船に近づいて、お湯をすくう為に屈んだ一連の動作は、しっかりとした足取り、左右に揺れずますぐに前を向いた頭、躍動感あふれる肉体、屈む際に曲げた膝のくぼみ。
この素晴らしさを例えるならランナウェイを歩くトップモデルか。
はたまたミケランジェロが美の女神像を残していたら、と思わせる均整の取れた美しさだ。
そして今掛け湯がされました。
ここの温泉は少しとろみのついた白濁色のお湯。
詳しい成分とか効能は知らないけど、美少女の肌を伝い流れるさまはエロい、それだけはたしかだ。
長い赤みのある金髪はしっかりと頭の上にまとめられているから、肩に掛け湯をすると背中にお湯が流れる様子をしっかりと見れる。
背中、肩甲骨が健康的なラインを描いており、そこを流れるお湯は名滝のごとき神秘的美しさがある。
そしてその滝はキュッと締まった小ぶりなお尻から流れ落ちる。
絶景なるのはそれだけでない。
脇だ。
脇の下にある窪みが流れ落ちるお湯で揺らめいて見える。
たるみの無い締まった肉付き故、掛け湯の為に挙げられた腕が背中から脇の肉を引っ張り上げる。
それにより浮き上がる肋骨の凹凸がカンパネッロを幼く見せており、倒錯的な魅力を生み出している。
個人的にはうなじから肩甲骨、脇腹から腰の括れに至るラインが大好物なので、アニメ化の折にはここを重点的に描写してほしいものだ。
と、個人のフェチズムだけを語ってはいけない、というわけでは無いだろうがここは他の場所も描写すべきなのだろう。
すなわち――――前だ。
前に関してはアニメ化されたら湯気さんか謎の光さんが大活躍してくれちゃってお見せできないかもしれない。
だからこそ、彼女等が活躍できない文章表現の場では頑張りたいものだ。
そうすれば円盤で映像特典になるかもしれないもんな。
もしくはマジ魔王var.みたいになるかもしれない。
ちなみに、湯気さんや謎の光さんは女の子であるべきだ。
女湯に居るんだから女の子であるべきだ。
湯気さんや謎の光さんがムキムキのオッサンだったらと思うと、―――なにその薄い本みたいな状況。って、なっちゃうからね。
閑話休題。
さて前に関してだが、
カンパネッロの胸はお胸ちゃんと言っていいほどの可愛いモノだ。
このふくらみでは掛け湯のお湯をせき止められるものではなく、胸はお湯の中に沈んでしまう。
しかし、掛け湯のお湯は勢いは有れども無限ではない。
勢いをなくしたお湯からはまず先っぽが顔を出す。
大きすぎない桜色の突起はお湯をかき分けてその顔を出す。
張りのあるその頭はお湯の勢いから解き放たれてフルフルと震えながらお湯をかき分けて雫をはじく。
そして次第にその足元の丘もお湯から解き放たれてプルンっとその柔らかさと芯の強さを強調する。
ここにきて遠回した言い方はやめよう。―――乳輪は小さいほうだ。
すまない、暴走した。
もう少し冷静にいこう。
これではオッパイも好きだってことがばれてしまう。
と言う訳でお腹である。
アニメならアニメーターさんのフェチズムを存分に発揮してほしい。
具体的に言うとおへそだよな。
おへその窪みにお湯が溜まってキラキラしてるシーンを期待します。
いや、真のおへそフェチならもっと、こ~う、ねちっこい描写ができるのだろうが、自分ではこれが限界だ。
ゆえにおへそより
ツルッツルのそこは、滝つぼのごとくお湯が流れ込んで、溜まり、そして流れていく、その場所は女体にとって最も大切で神秘的な場所である。
想像してもらいたい。
鎖骨から見下ろす断崖絶壁の胸からお腹を経て滝つぼたる魅惑のデルタゾーンに流れ込むお湯の奔流を。
まさに絶景ではないかな。
これならばどれほど世を儚んだ者でも、悔いなく飛び込めると思わないだろうか。
この絶景を想像しながら掛け湯一つに費やした情熱のエピローグにしたい。
そして掛け湯をしたカンパネッロは体を洗う。
この際に使う石鹸は本来のカンパネッロが調合したもので泡立ちがすごい。
髪の毛も体もこれ一つで洗える優れものだが、それゆえにカンパネッロの体は泡でモコモコになっていた。
モコモコのカンパネッロは色気より可愛いのでカズマも少し安心できる。
泡を洗い流したカンパネッロはその後湯船に一人でつかる。
ここにサリーがいないのは、ダンジョンの攻略で一番活躍したカンパネッロに一番風呂が譲られたのだが、一緒に入ると言って効かないサリーに皆が夕飯の準備を任せようとした。
それでは納得しなかったサリーにカンパネッロが、「風呂上がりのサリーのごはんってすっごく楽しみだな。」と言ったら目をキラキラさせて夕飯の準備に取り掛かって行った。
だから今は1人での入浴だ。
「はぁ~、これは何か出そうだな。」
「おならとか。」
「ネッロさん。仮にも美少女がお風呂でおならとか出してはいけないと思います。」
「じゃぁなにが出るのだい。」
「ここってどう見ても廃墟温泉じゃん。幽霊の類の一つでも出そうだなって。」
「………………………………………………………………………。」
「どうした急に黙り込んで。」
「いや、何でもないよ。イイツッコミガオモイウカバナカッタンダー。」
「そうか。何かあったら言えよ。」
「うん、大丈夫。何も無いよ。誰もいないよ~。」
カズマはカンパネッロのことが気にならなくもないが、それよりもせっかくの温泉、白濁したお湯は視覚的にカズマの
ばばんがっばんばんばん、なんて鼻歌を歌ってしまう。
「ここは~異世界~キウラキ~之湯~。」
だから油断していた。
のんびりと肩にお湯をかけては肌にすり込むように体を撫でまわしていた。
無自覚に、オッサンが、女性みたいに。
それに気が付いたのは両手で自分の胸をすくい上げて、「もうちょっと大きくならないかなぁ~。」なんて口走っていた時だった。
「――――――っぁ、あれ…?」
「カズマって時々女の子っぽい仕草するよね。」
「―――――な、ん……だと!」
カンパネッロはミスリル色に輝くその瞳を大きく見開き震えるしかなかった。
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