06.大森ひなた
『ひなた、ちゃんと勉強してる?』
『今までに比べればしてる』
『別々の高校とかになっちゃったら嫌だよ』
『ぜったいやだ~』
『だよね。今度の休みにでも勉強会しようか』
『うん、ありがとう!』
『今日、ごめんね。びっくりしたでしょ』
『なんのこと?』
『キスしたこと』
『なんで謝るの?うれしかったよ』
『そう?』
『うん、ちはるちゃんに特別なともだちだって言われたみたいでうれしかった』
『そっか、なら良かった』
『これからもずっと一緒にいようね!』
『もちろん』
『今日男の子に告白されちゃった』
『あら。どうするの?』
『申し訳なかったけど、その場で断ったよー』
『どうしてよ』
『だって彼氏なんてできたらちはるちゃんと一緒にいる時間へっちゃうじゃん』
『それはありがとう(笑)』
『ちはるちゃんは?告白とかされたらどうするの?』
『私もその場で断ると思う』
『よかったー』
『よかった…なのかな?笑』
『そういうのもなんか変だね』
『だね笑』
『着いたよ。どこにいる?』
『迷子になっちゃった』
『迎えに行くからそこにいて。電話するね』
『明日入学式だねー。一緒のクラスだといいね!』
『そうだね。制服着てみた?』
『うん。お母さんとお父さんとお兄ちゃんにめっちゃ写真撮られた』
『相変わらず仲いいね』
『ちょっと恥ずかしかった』
『ひなたの制服姿楽しみ』
『あたしもー!』
『ねー、休み時間会いに行っていい?』
『もちろんいいけど、授業中は携帯いじんないの』
『ちはるちゃんだってお返事かいてるじゃん!』
『ちはるちゃん起きてる?』
『起きてるよ』
『さみしい』
『どうしたの。うち来る?』
『行く。枕もってく』
『泊まるのね、わかった(笑)』
『今日、ごめんね』
『ちはるちゃんはなにも悪くないよ、ごめん、泣いちゃって』
『謝らないで。そのままのひなたでいてほしい』
『先に謝られちゃった。まけた』
『いや、あの時ひなたはその場で謝ってたよ』
『そうだっけ?』
『うん』
『記憶にないから、あいこってことにしよう』
『その勝ち負けの概念なんなの(笑)』
『ちはるちゃん、いつも一緒にいてくれてありがとう』
『こちらこそ』
『ねえ、明日からお昼休みの時たまに宮城誘っていい?』
『宮城さん?ってだれ?』
『4組の宮城しの、昨日図書室で話してた子』
『あー、あのこね!』
『恋人とのことで悩んでるんだって。ぼっちだから相談相手いないらしくて』
『そうなんだ!昨日はそのことを話してたの?』
『そう。ひなた話聞くのうまいでしょ、聞いてあげて』
『うん、いいよ!』
『ありがとう。私は相談ごととか向いてないからさ』
『ちはるちゃん他人に厳しいもんね』
『そうだね(笑)』
* * *
あたしはちはるちゃんとのトークを読み返すのが大好きです。
トーク履歴を遡ったら、日記を書いて寝るのが日課です。
日記はアプリでつけてます。とても便利です。みんなも使えばいいと思います。
* * *
今日は、ちはるちゃんと、しのちゃんと、うたこさんとあたしの4人で図書館に行った。
しのちゃんは、図書室で見かけた時は怖そうな女の子だなあと思ってたけど、すごく優しくていい子。
おすすめの本を教えてもらったから、1冊借りてきた。ちょっとだけ読んだけど、読みやすそうだし面白そう。
うたこさんは、きれいな人だった。
しのちゃんとうたこさん、本当にお似合いだと思う。
しのちゃんは色々言ってたけど、すごくいい人だと思った。
いつもしのちゃんは、うたこさんを好きかどうかわからないって言うけど、気付けてないだけなんじゃないかな。
だって、その人に対する自分の気持ちを知りたいと思えるのは、その人のことを知りたいってことと、おなじことだと思う。
しのちゃんは、とくにそうだと思う。
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