照れくさそうに、

よる

No.1

「○○と付き合ってるの?」

委員会の集まりで、先輩が彼に尋ねた。彼は照れてるのか何なのか、唯一の同級生である私の方をちらちら見た。やめろよ、見るの。

「え、そんなわけないじゃないですか!」「友達?」

「友達ですよ。」「本当は?」「友達です!」

何故かにやにやしながら、照れくさそうに、彼が先輩に言った。

同じ小中学校に通っていた身としては、彼があの子と本当は友達ではなく、彼氏彼女という関係であったとしたら・・・そんな風に考えたらなんだか、もやもやした。そりゃあ、彼は結構前から好意を寄せられることも多くて、でも。なんで?

自分じゃなくて、

なんて。そりゃあ自分の知らないところで恋愛云々の話があったとしてもおかしくないだろう。私だって、同中の人が知らない、いや知ってるのかもしれないけれど、そういうところで付き合ったり、とかもしてたわけでしょ。

嫌、多分恋なんかじゃない。多分長い間友達だったから、嫉妬。

あの子よりも期間は短いけど、深い絡みをしていたような気がしていたのに。

私との関係を先輩に聞かれたときは

「マジでヤダ、」

って私と一緒にいないように、距離を取ったのに。

あの子との関係だったら、問題ないのか。結局、付き合ってるのか。ああ、そういうこと。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

照れくさそうに、 よる @September_star

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る