Data.4 メダル徹底解説!
『よしよし、村に入ってしまったらもう安全だにょん!』
「せっかくのメダルがまた奪われたらたまったもんじゃない。それにしても、この村人少なすぎない? てか、いなくない?」
初期村は相変わらず過疎ってる。
このゲームはNPCがほとんどいないようだけど、プレイヤーもいなくないか?
『ゲーム開始時に送り込まれる初期村は各地に存在するにょん! 質問の答えによって場所が変わるだにょん! この村に人がいないのは偶然……だと思いたいにょん!』
「へー、あの質問には最初のメダルを決める以外にも意味があったのか」
過疎村を引けたのは当たりだな。
チャリンと堂々と会話できるし、最高レアリティのメダルを取り出しても目立たない。
『じゃあ、早速メダルをチェックするにょん!』
「よーし!」
俺の手元にはクロガネメダルが1枚、ゴールドメダルが2枚……。
「そもそもメダルのレアリティってどれだけあるんだ? クロガネが最高だってのはわかってるけど」
『レアリティは全部で5つだにょん! そしてカテゴリーも5つだにょん!』
クロガネ
プラチナ
ゴールド
シルバー
ブロンズ
上から順にレアリティが高い。
さらにここにカテゴリーが存在する。
戦いに欠かせない武器を司る『ウェポン』
体を守り強化する防具を司る『アーマー』
一発逆転、強力な必殺技を司る『スキル』
いろいろ使える素材を司る『マテリアル』
ゲーム内の共通通貨、金を司る『コイン』
7つのスロットにセットできるのは上3つ。
下2つはメダルを買ったり、生成したり、強化したりするために使う。
俺の手持ちだと……。
「このクロガネのメダル『コレクトソード』はウェポンメダルってことか」
『そういうことだにょん! でもでも、あの剣は明らかに不思議な効果があったにょん! 特殊効果を持っているはずなんだにょん!』
「どうやったら確認できる?」
『ボックスにあるものはメニュー画面から確認できるにょん! セット中とか手もとにあるメダルは、メダルをタッチしてもオーケーにょん!』
スロットのメダルをタッチする。
◆コレクトソード
クロガネ/ウェポン
属性:剣/斬撃/刺突
基礎攻撃力:80
=特殊効果=
①メダルコレクト
コレクトソードが受けた
複製したメダルは『ソードスロット』にセットされる。
『ソードスロット』にメダルが存在する時、この効果は発動しない。
②コレクトバースト
『ソードスロット』にメダルが存在する時のみ発動可能。
『ソードスロット』にセットされたメダルの効果を発動する。
その際、基礎攻撃力1.5倍、斬撃属性を加える。
この効果の発動後、『ソードスロット』にセットされたメダルと同じメダルを所持していない場合、『ソードスロット』にセットされたメダルを入手する。
同じメダルを所持している場合、『ソードスロット』にセットされたメダル消滅はする。
======
「……カードゲームかな?」
『一緒にしないでほしいにょん! まだ理解できるテキストにしてあるにょん!』
「まあ、確かに長いけど理解はできる。要するに必殺技を吸収してメダルをコピー、その威力を1.5倍にしてカウンター攻撃ができるのか」
『さらにさらに! 吸収したメダルはゲットできるんだにょん! 攻防一体だけじゃなく収集まで出来るまさに最高レアリティだにょん!』
メダルがすべての世界でメダルを複製できる効果を持っているとは、確かに最高レアリティだ。
しかし、武器としての攻撃性能はどうなんだろう?
カウンター気味のスキルだから威力効果共に相手依存だし、『基礎攻撃力』も高いのか低いのかわからない。
「チャリン、基礎攻撃力って普通に攻撃力でいいのか? それに80ってどんなもんだ?」
『基礎攻撃力はねぇ……。言うなれば大体の攻撃力だにょん。剣が薄皮を切るのとお腹にぶっ刺さるのが同じ威力じゃおかしいよね?』
「そりぁまあ」
『だから、基礎攻撃力だにょん。うまく切れれば大体80くらいの威力を出せるよってことだにょん。場合によって上がりもすれば下りもするにょん』
「なるほど、VRゲームならではの概念だな。それで80は高い方? 低い方?」
『全体で見ればまあまあ高い方だにょん。でも、クロガネのウェポンとしては低いにょんね。効果がメインだと考えればいいにょん』
「うーむ……」
『正直、数字は気にしなくていいにょん! そもそも体力が数値化されてないゲームで攻撃力だけ数値化されてもわけわからないにょん! あくまでも参考程度に考えるにょん!』
「それもそうか」
このゲームは極めようとするとかなり奥が深そうだなぁ。
いきなりすべてのシステムを理解しようとせず、遊びながら学んでいけばいいか。
『さあ、残り2つのメダルもチェックするにょん!』
お次はこれでいくか。
◆強奪の勲章
ゴールド/アーマー
属性:勲章
基礎防御力:0
=特殊効果=
①
キルしたプレイヤーのメダルスロットから任意のメダルを1枚入手する。
この効果は1日に1度しか発動できない。
②モンスターをキルした際の
======
「これはアーマー扱いなのか!」
『アクセサリー系もアーマーに
「ふむふむ……。あっ、この強制帰還は……」
『キミも味わったあれだにょん! キルされた際に登録してある村や町にワープするんだにょん!』
「100秒と言わずにすぐ帰してくれれば良いのに」
『それじゃあ蘇生効果のあるメダルの使いどころがないにょん! 倒れたまま待ってる時間も必要だにょん』
「あ、なるほど。あと②の効果いる? これだけでセットする意味があるくらい強い効果をこんな危険なメダルにつけるかねぇ」
『みんなそう言ってるにょん! でも、便利だから調整しろとは言ってこないにょん! キミも強奪する気がなくてもセットはしておくにょん!』
使えるものは使うとしよう。
『コレクトソード』の隣のスロットに『強奪の勲章』をセットする。
こうして見ると、ダークなデザインでカッコいいな。
「最後はこれだ!」
メダルボックスから取り出した『火炎旋風』のメダルをタッチする。
◆
ゴールド/スキル
属性:魔法/火/風
基礎攻撃力:200
最大使用回数:5
インターバル:3分
使用回数回復:30分
(
=効果=
炎を纏ったつむじ風を放つ。
『火傷』を付与することがある。
「急に専門用語が多くなった!」
『目をそらさないで! 意味を聞けばピンとくるにょん! 最大使用回数はそのままこのメダルの効果を使える回数だにょん!』
「そこはわかるし属性もわかる。効果もシンプルでわかりやすい。インターバルと使用回数回復、なによりタウンエリア回復あたりがわからないな」
『最大5回使えるからって連続で5回はつかえないにょん! 一回の使用ごとに3分待ってほしいんだにょん!』
「3分ごとに攻撃力200か……」
『使用回数回復はそのまま最大使用回数が回復するまでの時間だにょん! この場合は30分ごとに1回復するにょん! そしてタウン回復は街や村に戻れば最大まで回復するってことだにょん!』
「説明ありがとう。すごいよくわかった」
『ふっふ~ん、そのために私はいるんだから! ……にょん! さあ、理解できたらこのメダルもセットするにょん!』
「ああ!」
俺のメダルスロットに3つのメダルが並ぶ。
黒金、金、金……初心者としては異常なメダルの数々じゃないか?
まさか初期メダルを奪われて数十分後にこんなことになるとは想像もしてなかった。
『かぁっくぅいい~っ! さあさあ! 次のメダルを求めて出発だにょん! ゴールドでスロットを埋めてやっと脱初心者だにょん!』
「チャリンはまだついて来てくれるのか?」
『キミみたいな有望なルーキーに活躍してもらえば、新規も増えて私も消えずに済むんだにょん! 私はキミと心中することに決めたにょん! どこまでもついていくんだにょん!』
「期待に応えられるかはわからないが、全く知識のない俺としてはありがたい。そういえば名乗ってなかったっけ? 俺はシュウト! よろしく頼むチャリン」
『こっちこそよろしくだにょん! シュウト!』
「で、どこに行けばいいんだ?」
『まずはメダルを集めてとにかく7つのスロットを埋めるにょん! そして、初心者の時だけ参加できるイベント……ルーキーコロシアムで優勝するんだにょん!』
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます