# 3. やったか!?(やってない)
「もう、本当にどうしちゃったの!」
「だから俺は転生したんだと……」
「そう言うの間に合ってるから!」
「なんだ? ほかにもこの身体に転生したやつがいるのか……?」
「なんでそんなホイホイ転生するような設定なのよ」
「設定じゃないんだが」
眉を寄せる幼なじみを眺めていると、あることに気づいた。
「あっ、よく見るとシャツに汚れがついちゃってるじゃない。シミになっちゃう!」
「む、これがこの時代のタコの墨か……。香ばしいな」
「タコの墨じゃなくて、タコ焼きのソースね」
「タコのソース? この時代のタコは香ばしいソースを吐くのか?」
「ソースは吐かないからね。それはタコ焼きのソースだからね」
「あれはなんだ? タコのドロップか?」
「聞いてた?」
聞いてないでしょう?
地面に落ちていたタコ焼きを真顔で指さす幼なじみは、なんだかとてもシュールな感じがする。
「ドロップて……。確かに落としたタコ焼きだけど、たぶんあなたが言うのと意味が違う気が」
「タコ焼き……。タコ焼きはなにをするものだ? 敵に投げつけるのか?」
「ソースって言葉が出てる時点で察せない?」
「そうっすか……」
「……」
まさかダジャレを返されるとは思わなかった。
「タコ焼きは、食べ物よ」
「食い物か……なるほど」
うんうんと幼なじみが頷く姿を眺めてみる。
それにしても、なんでこんなにスラスラと中二設定が出てくるの?
アドリブでしょう?
「タコはお前が殺ったのか?」
「殺るわけないでしょ!」
確かに、タコ焼きだから、タコは調理時点で殺られてたけど。
だとしても私は殺っていないからね!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます