第11話城への道

 ドドドド、ブシュ、ガチャン、バギィ、


「あーあ、どんだけいんだよこいつら」


「仕方ないだろ、俺達はこれが仕事なんだから」


「そうだよ秋人くん、ボヤいてたって何もならないよ!今回頑張って、次回はグループB、Cに入るんでしょう」


 秋人のいつもの愚痴に俺と冬華が励ます。


「それにしても幹部城まで遠いわよね」


 それもそうだ。俺達はあれからかれこれ一時間半くらいは幹部城に向かって進んでいるのだが全然、城の姿は見えない。


「そうよね、なんでだろう?」


 冬華の言葉が聞こえたのかグループAの斧を持ったSSAメンバーが戦いながら答えた。


「お前達そんな事も知らずに参加したのか?馬鹿げた奴らだ。いいか幹部城は距離は数キロだが、モンスターの数が多い所や足場の悪い所など、危険が高い所は全て避けて進んでいる、だから道のりは数十キロにも及ぶのだ」


「へぇー、そうなんだ」


「それでこんなに時間があるかかるのですね」


 夏菜と冬華が納得すると斧を持ったSSAメンバーは説明を続け始めた。


「よって幹部城に着くのは午後三時ごろだ」


「まじかよー」


 秋人は気が抜けた声で叫んだ。


 三、四時間後、午後三時に差し掛かるかと言う時間にやっと目的地が見えてきた。


「やっとだ!やっと幹部城が見えたぞ!」


 秋人はモンスターを押しのけ飛び上がった。城の門の前に着くと一旦休憩して神崎が門に手をかけた。


「グループAよく頑張ってくれた、おかげで幹部戦に集中できる!しかし、ここからが本番だ!もう一踏ん張り頑張ってくれ」


 そう言うと周りのプレイヤーが、叫びだした。そうして神崎が門を開けると、薄暗い通路が二、三十メートルくらいあり、等間隔に松明の炎が燃えている、それがより一層プレイヤーの緊張を膨らます。


 すると、通路の奥にある扉の前にモンスターが湧き出した。数は十体程、俺達四人がいち早くそのモンスターに襲いかかった。


「おりゃー!」


 ドドドド、夏菜がマシンガンを撃ちまくり、どんどんモンスターのHPが減っていく。すかさず俺と秋人がモンスターにとどめを刺し、冬華も遅れずに、確実にモンスターの頭だけを撃ち抜いていく、あっと言う間にモンスターは残り一体になり俺がとどめを刺しにかかった。


「うぉりゃー」


 パリンと甲高い音を響かせるてモンスターが全滅した。

 そうしてあたりを見渡すと、今いる空間の先に、先ほど神崎が開いたもんよりも大きな扉がそびえたっていた。その扉は高さ七・八メートルは優にあり、扉の表面には禍々しい文様が描かれていた。


「なんだよこれ⁉」


 俺と秋人は目を丸くして扉の前で震えていた。

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