第4話夢へ一歩!

 ゲームに入ると、そこは周りを見渡す限り暗闇に包まれていた。


「おーい。誰かいませんか?」


 そうやって質問をしても返事はなく、ただ自分の声が響いただけだった。

 しばらく待つといきなり可愛らしい小さい女の子の様な声が聞こえた。


「あなたのマイナンバーを教えてください」


 俺はびくりして心臓の鼓動が早くなった。


「お前は何者だ!」


 俺はそう投げかけると、その声は全く感情を持たないかの様に答えた。


「私はこのゲームのAIです。今回はあなたの初期設定をするために参りました。なのでマイナンバーを教えてください」


 と可愛らしい声で言った。

 俺は少しの間黙りこみこの状況を整理した。

 今はゲームの中にいて周りは見渡す限り暗闇で覆われっている。そしてあの声はゲームアナウンスなのか。なぜ声女のが小さな女の子なのかはさておき、状況は整理できたのでゲームアナウンスと会話を始めた。


 「俺のナイナンバーは××××~だ」


 そう答えると、ゲームアナウンスがしばらく止まった。俺はしばらく待機していると。


「ユーザー認証確認できました。涼宮 春風 様で間違いありませんね?」


 と可愛らし声で言った。何度聞いてもこの声と言葉使いは不釣り合いだ。そう思いながら目の前に出された半透明のウィンドウを捜査してYESを選択した。


「では涼宮様のアバターを作成します」


 そう言って、しばらくするとまたゲームアナウンスが鳴った。


「アバター作成完了しました」


 そうゲームアナウンスが鳴り終わると、俺の目の前には俺と同じ顔で、同じ背格好のアバターが立っていた。


「俺じゃねぇか!なんで俺がいるんだよ?」


 俺は訳も分からずそう叫ぶととゲームアナウンスが丁寧に説明を始めた。


「このゲームではユーザーが性別を偽ったりする事を防ぐためにご本人と全く同じアバターを使用させてもらいます。なお、髪型のみ自由に変更可能です」


 そして少し間をおいて


「ステータスを設定して下さい」


 そう唐突に言うと次は半透明のウィンドウが表示された。そこにはステータスが全て0の画面とポイントが500と表示されていた。


「ポイントを割り振ってステータスを設定すればいいのか?」


「はい」


 そう簡潔な返事が返ってきた。

 俺は悩みに悩んだ結果ステータスを設定した。

 HP250

 筋力65

 防御45

 俊敏65

 器用30

 運勢45

 ステータスはこの様に設定した。すると


「では,ご武運を!」


 ゲームアナウンスがそう言うと俺はゆっくり渦に飲み込まれ始めた。


「ちょっとまてくれよ~!」


 俺の情けない声も一緒に渦の中に飲み込まれていった。

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