第2話 END THE GAME
「キーンコーンカーンコーン」
バタバタと帰る準備を始める者、仲の良い友達と話しを始める者、先生に質問をしに行く者、いろいろな人がいる中に1人ポツンと座っていると、いつもの様にドタドタと大きな足音を立てながら1人の人影が俺に近づいて来るのを感じる。
バーン!そう強く教室の扉が開く音が聞こえ秋人がニコニコしながら教室の扉に手を大きく広げて立っていた。
「おーい!春風!今日からだよな『END THE GAME』俺楽しみで昨日の夜眠れなかったぞ!」
と、元気の良い男の子と言わんばかりの大きな声で俺に話しかけて来た。
教室の生徒が静まり帰り秋人の方を向いてる。
その視線を感じてい無い顔で俺の方にゆっくりと歩きて近づいて来る。俺はまるで今から襲われるのかと言うくらい緊張していたが実際に秋人が目の前に来ると俺も周りの視線を忘れてしまった。
「なんだよ騒がしい奴だなお前は!てか、そんなに楽しんでできるゲームじゃないだろ『END THE GAME』は!」
その通り『END THE GAME』は日本政府が義務教育の一環として今年から始めたゲームだ。このゲームは少子高齢化問題解決後問題となった若年者引きこもり問題解決のために制作された。
今やこの問題は少子高齢化問題よりも深刻とされている。なぜなら日本の大手ゲーム会社がフルダイブ型のゲームを開発し、それに子ども達がのめり込んだ結果、学校に行かなくなってしまい、プロゲーマーと言う新しい職業に就きたいと言い出したのだ。
その結果プロゲーマーに規制をかけた方が良いと言う意見が沢山出て結果このゲームを制作したのだ。それだけで無く、学校に行かなくなった子ども達がコミュニケーションの取り方を学ぶために、
また、ゲーム内でお金を稼ぐことでお金を稼ぐ大変さを知ってほしいと言う思いも込められて制作された。
その結果あれこれ批判も出たが日本政府が無理矢理推し進めたのだ。
「分かってるって、でも日本政府も酷いよな!俺達は真面目に学校にも来てるのにゲーム内でHP 0になったらプロゲーマーになれないなんてよ」
と小難しい顔をしながら秋人はグチクチ日本政府への文句を言った。
「そんなこと言っても仕方ないだろ!俺だって思うことはあるけど決まったことは仕方がない。ゲームをクリアしてプロゲーマーになってやろうぜ!」
秋人を励ます様に言って、俺は秋人の肩をポンと叩いた。
「そうだな!俺だってプロゲーマーになってやるって決めたんだ。そして世界チャンピオンになって稼ぎまくりモテモテになってやるんだ!」
そう言って秋人は教室を飛び出して行こうし扉の前で俺の方を向いて
「じゃあ、この後ゲームで!」
と秋人は笑顔で手を振って、ルンルンで走って行った。
その後、
「あの人何者?」「なんだったのあの人?」
と言いながら俺の方にだけ沢山の視線が向いている。
俺は秋人が残して帰った視線を感じながら緊張と興奮の中ゆっくりと立ち上がり家に帰るために歩き出した。
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