カルテNo.7 どの世界にも宗教や習慣があるもの

「全く、天下のパラスメントが昼間から制服姿で酒飲んで民衆の前で醜態を晒すようじゃまた市民の人達からバッシングの嵐だぜ……」


「そうよね。仮にも街の治安を守るのがパラスメントの役割なのにね……」


「確かにそれもあるけど本来、教会の連中には規律を重んじるはずなんだよね。それに過度の飲酒は控えるようにって教会自らが発令しているんだぜ?」


「え?そうなの?」


「カラカラ、桃香様。リクト様の言う通り教会に属すものは謂わば神の代理人であり神に代わって執行するという役割で教会の者は基本的には民衆を導かなければいけない立場なのです。つまり周りから人である為のお手本にならなければいけないのです。」


「それなのに、この人は制服姿で昼間からお酒飲んで酔い潰れて、それに何かタバコの臭いもするし……」


「おいおい、教会はタバコは異教として禁止しているはずだぜ?言われてみるとさっきからタバコの臭いが部屋に充満してるな……」


「カラカラ。うーん、この方は本当にもしかして……」


「「もしかして?」」


キャビンは考えるポーズをしながら含みのある意味深な発言に私とリクト君は気になってしまう。本当にこの酔い潰れ女は教会の人間なのかも疑問だし。


「本当にこの方は第12師団……なのかもしれませんね。カラカラ。」


「第12師団?キャビンさん。そんな馬鹿な話はないですよ。教会のパラスメントは第11師団までですよ?第12師団なんて陰謀論や都市伝説にはありますけど本当にはないと教会の公式では言ってますよ?」


「カラカラ。リクト様の言う通り第12師団の存在は世間では陰謀論や都市伝説として巷では流れていますし、教会公式が発表したものではありません。」


私はさっきからキャビンとリクト君が先程キャビンから話を聞いていたとはいえ何を話しているのかちんぷんかんぷんで頭の上には、はてなマークしか浮かんで来ないんだけど。


「ですが、あくまでも教会がそう言い張っていると言う事にして教会という組織が母体の非公式の師団があると考えるとどうですか?」


「確かに、そう言われると否定は出来ないかもしれませんが。」

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