カルテNo.7 どの世界にも宗教や習慣があるもの
「別に〜」
リクト君は私がリクト君の無邪気な笑顔にマジマジと見ていた事に気が付いて少し照れながら言ってくるけど私はそれを茶化したように言い返す。
さっきのお返しだもんねぇ!
「それより図書館の中に行こうか。プーオン・マーゴ。」
するとリクト君は図書館の扉に指で六芒星をなぞってから【プーオン・マーゴ】と唱えると図書館のコンクリート状の扉がスライドして開き始める。
何か凄く急にファンタジーが現実味に感じるわ……
「じゃあ、行こうか。」
「うん。」
そこから再びリクト君の案内のもと図書館の中へ入るとなんて言うんだろう……
私のイメージしてる図書館って言うより簡単に言うと本の倉庫って感じがするほどの見渡す限りの本棚。ってか広過ぎない?
「リクト君は何を調べるの?」
「あぁ、俺さ将来は医者になろうと思ってさ。だから、解剖学書の絵を模写して生理学書でその機能についてレポートに提出しようと思ってさ。」
「お医者さんかぁ、どうしてまたお医者さんなの?」
「父さんも母さんも早くに亡くなっちまったからさ。少しでも病気とかで苦しんでる人を助けたいって思ってさ。」
「そうなんだね。リクト君はやっぱり優しいんだね。いーこ、いーこ。」
「な、何だよ!急に!」
私は健気で優しいリクト君に頭を撫でるとリクト君は少しビックリしては顔を赤くしてソッポ向いてしまう。恥ずかしがり屋なのもまた、良いんだけどね。
「でも、リクト君は前にワタル先生から聞いたんだけどお家の事は良いの?」
「え?あぁ、まぁ、それは良いよ。父さんも母さんも居ないし、それに俺はあの家を継ぐ資格はないんだよ。」
「そ、そんな事、無いと思うんだけど、強いし、しっかりしてるのに……」
「そう言う事じゃないんだ……」
「え、どいうことなの?」
私としてはリクト君の言う家を継ぐ資格がないって言うのは実力もあって、しっかりしてるのに、リクト自身が何処か自信がなくて、そう言ったのではないかと思ったけど違うみたい。
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