カルテNo.7 どの世界にも宗教や習慣があるもの
「実はと言うと、俺の持ってるセクメトあるだろ?」
「うん。」
リクト君は自分の魔装具である精霊セクメトが入れ込まれているベルトのバックルを取り出して私に見せてくる。
「実は俺の家系であるビタン家には力を貪欲に追い求める事で持ち主を主人と認める【地の魔装具】と言われるセクメト。そして【天の魔装具】ホルスがある。」
「つまりリクト君のお家から代々伝わる魔装具が2つあるって事だよね?どうしてその天の魔装具を使わないの?」
「実を言うと、天の魔装具は俺の姉さん。ユーリ・ビタンが持っていたんだ。そして、ビタン家を継ぐには天の魔装具ホルス、地の魔装具セクメトを持ち主と認めてもらわなくちゃいけななんだ。でも、それは未だに行方不明のままだ……」
「そうだったね……」
「うん。アレは姉さんが戦場で殉職した際、行方が分からないまんまで俺もホルスは姐さんの形見だから必死に探していた。」
「やっぱり見つからないの?」
「最初は必死になって戦場で落ちていなかったり、何処かの骨董品屋に売られて居るんじゃないかって探してみたけど見つからなかった……」
「そうだったのね……」
「本当は俺がビタン家の後継者だったけど、両親を亡くした事で姉さんが俺が大人になるまでの代理としてビタン家を継ぐ事になってホルスとセクメト両方使えるようになっていた。だけど、セクメトは幼い俺に何かあった時の為に姉さんが預けてくれたんだ。ホルスだけを戦場に持っていってな。」
「……」
「そして、姉さんはミラージュ・ファミリーに捕らわれた親友を助ける為に仲間の反対を押し切って1人で敵陣に乗り込んで死んでしまった。」
「お姉さんは親友の為に1人で……」
「あぁ、何回か会った事あってな、女なのにクールって言うか無愛想って言うか、男勝りって言うかさ。」
「もしかしてリクト君、その人に惚れてた?」
「そ、そんな事あるかよ!でも色々と俺に白兵戦のやり方を教えてもらったよ。めちゃくちゃしごかれたけどな。」
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