カルテNo.7 どの世界にも宗教や習慣があるもの
『噂?どんな噂なの?』
『あのリクト・ビタンって子さ。元々はアペディグリークラスの時もクラスの人とはあんまり進んで関わろうとしなかったから、フォルザクラスにクラス替えされてからアペディグリークラスの人達から顔を合わせると何か言われてるらしいの。』
『……』
『それにね。フォルザクラスでも、アペディグリークラスから来た子だからアペディグリーを良く思わない人達から陰で何か言われてるって話。』
『……』
なるほどね。前に清掃のオバチャンが話していた細かな話はそんな感じね。それだとリクト君は心の何処かで学校には必要最低限に行けば良いと思ってしまうわね。
学校のお金持ちとか学校に寄付なんてどこぞの漫画やライトノベル、アニメといった話だけかと思ってたんだけど困ったことに現実にあるものなんだわ。
リクト君のお姉さんは学生さん達にも有名な英雄である戦場の戦乙女(ヴァルキリー)と呼ばれている。
正直言って私はこの世界にあのクマ吉に無理矢理来させられてその歴史が分かっていない。まぁクマ吉におおよそは聞いたけど細かい事はリクト君に聞くか、自分で調べるか……
「なんで学校に居るの?日野先生。」
「きゃあ!おっとっと!り、リクト君?!」
私は急に後ろからリクト君に話しかけられて思わずビックリしてしまい危うくリクト君のお弁当を落とすところだったわ。
「何してんの?」
「もう!ビックリしたじゃない!あっ!これ!お弁当!忘れていったでしょ?!」
「あっ……悪い。」
リクト君はバツが悪そうな顔をしながら頭の後ろをポリポリとかいては私に謝る。
「それより日野先生。ここだと目立つし、俺は次の時間は自習だから人の居ない学校の図書館行かないか?」
「う、うん。良いけど大丈夫なの?」
「あぁ、自習って言っても自分で興味のある事を調べてレポート書くだけだからな。」
「そう。私も別に予定ないから良いわよ。」
「それじゃ行くか。」
私とリクト君は取り敢えず、あんまり人が来ないであろう学校の図書館に向かう事にする。
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