カルテNo.7 どの世界にも宗教や習慣があるもの
「あら、いつの間に着いちゃったわ。」
何かしら考え事をしながら歩いていると、やっぱり知らない間に着いちゃうもんね。
私はワスア魔法学校の敷地内へと入ると、いつ見ても高く積み重なれた石段の上に白いレンガの造りに屋根には三角帽子のようにいくつものまさしく造形の芸術かと思わせる雰囲気で、まさしく伝統ある学校って感じよね。
「あら貴女は、この前の……」
「え?!あっ!はい!」
私は後ろから声を掛けられてビックリしてしまい声が裏返りながら振り向くと、その人は私がこの前、リクト君が学生証を落とした時に会った清掃のオバチャン。
「あらあら、驚かせてごめんなさいね。」
「いえ!こちらこそビックリして申し訳ありません。」
「今日はどうかされたのですか?」
「あ、はい。今日はリクト君にお弁当を届けに来たんですけど……」
「あら〜、あの子ったら、こんな綺麗な人を彼女にしてたのね!」
「ぶふっ!ち、ち、ち、違います!彼女ではなく、同居人と言いますか!」
「えぇ?もう同棲ですか!あの子、カッコいい顔してるからねぇ。」
「いや!同棲でもなく!えぇっと……ほ、保護者です!」
清掃のオバチャンが私をリクト君の彼女って言うから余計にビックリしちゃったじゃない。もう恥ずかしいわ……
「でも、お嬢さん。あの子より年上だと思うんですけどショタコンなの?」
「ショ、ショ、ショ、ショ、ショタコンちゃうわ!!」
なんだか、もう清掃のオバチャンが私の性癖に的確に突いてくるもんだから動揺しちゃったじゃないのよ。心臓に悪過ぎるわ……
「あらあら、お嬢さんは、あの子の保護者さんでしたのね。」
「えぇ、はい。」
「うふふ。それはどうりで。」
「リクト君、何かあったのですか?」
清掃のオバチャンは優しく微笑み私は、つい気になってしまい聞いてしまう。
「最近あの子は学校に来る事も多くなってきましてね。」
「そうなんですか?」
「はい、それに元々あんまり顔に表情とか出にくい方なんですけど。」
「けど?」
「前より少し表情が優しくなったかの様に思いますね。」
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