カルテNo.7 どの世界にも宗教や習慣があるもの

リクト君はそう言って席から立ち上がってリビングから出ようとした時、後ろを振り向いて私にイタズラな笑みを浮かべて言う。


「日野先生って過保護なお姉さんって言うより口煩い世話焼きのお母さんって感じだな。」


「ちょ、ちょっと!なんですって!」


「おぉ、怖い怖い……」


私は失礼な事を言うリクト君を追いかけようと立ち上がったが、リクト君はそそくさと自分の部屋に行ってから学校の制服に着替えてワスア魔法学校へと向かうのであった。


「あっ、桃香様。」


「どうしたの?キャビン。」


私はリクト君が学校に行った後にブラックコーヒーを飲みながら新聞を読んでるとキャビンが話掛けてくる。


「私、リクト様にお昼のお弁当を用意したのですが、忘れてしまった様です。」


「もうリクト君ったら、お弁当忘れたらまた身体に悪いもの食べてそうね。良いわ、私が届けに行くわってどうしたの?」


「いや、リクト様が持っていかないのであれば私のお昼にしようと……」


「そういう可哀想な事はしないの。届けたついでに何かお昼買ってくるから。」


「カラカラ。でしたらデカ盛りハンバーガーをリクエストします。」


「はいはい。じゃあ、留守番宜しくね。」


「いってらっしゃいませ。」


私はそう言ってから靴を履いて玄関のドアを開けてリクト君の通っているワスア魔法学校へと向かいリクト君のお弁当を届ける事にする。


もう、お昼ご飯忘れるとお腹空いちゃって授業に集中出来ないじゃない!


そう思いながら私は夏の残暑も終わり少し汗ばむ日もあるけど、何処か秋を感じるヘパイト月(私の居た世界では9月)の陽気を感じながら向かう。


それにしても、あのマヤローモ総合病院の襲撃から私の周りではミラージュ・ファミリーが現れて居ないのよね。特に新聞でも載せられていないし。


もしかしてアレなのかしら?前回が派手にやり過ぎたから?いやでも、派手にやっても別に問題はないし……


私はこの2ヶ月ほどミラージュ・ファミリーが現れない事に違和感を抱いているとワスア魔法学校へと着いてしまう。

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