カルテNo.7 どの世界にも宗教や習慣があるもの
前にワタル先生から聞いた話だと大戦でリクト君の親友が魔人側に人質に取られてしまって、その親友を助けようと1人で敵陣に言って殉職してしまったという話を聞いたけど。
その親友はワタル先生もどうなったかは知らないって聞いたわ……
もしかしたらリクト君は知っているのかな?ちょっと何処かのタイミングが合ったら聞いてみようかな。
「うん。やっぱりキャビンさんのご飯は美味いわ。」
「カラカラ、そう言っていただけますと私も頑張って作ったかいがあります。モグモグモグ……」
「それに、こうやって人と一緒に温かいご飯を食べるのって久しぶりだし。」
「カラカラ、それはそれは。今まではどんなものを食べていたのですか?」
「えぇーっと……病院で食ってる飯とか、惣菜パンとか、お湯で注げば食えるやつとか、湯煎で温めて食べるやつとか?」
「ねぇ、リクト君それって殆ど身体に悪いやつじゃない?」
「……腹に入れば全部一緒だ。」
「もう!若いうちからそう言うのバッカリ食べてたらダメよ!男の子ってだいたいそんな感じなの?」
「仕方ねぇだろ?稼いだ金も殆ど学費とかで手元に殆ど残らないしよ……」
そうか、リクト君はまだ学生だし、本当だったら経済面では両親や保護者が必要なんだけどリクト君は1人で学生をやりながら働いてるんだよね……
「それだったら私がリクト君の保護者になろうか?」
「え?で、でもよ。日野先生には居候させてもらってるのに……」
「そう言うのはなしよ。ね?リクト君は本当なら学校とかで友達と一緒に勉強したり、ご飯食べたり、放課後には友達と遊んだり、学校行事で思い出を作るのが普通よ?働き始めたらそんな事出来ないんだから。」
リクト君は少し下を俯いてから少しムスっとした感じで私の顔を見る。リクト君からすれば私の言ってる事は余計なお節介だと思うけど、それも大人の役割だって私は思ってる。
「はぁ、分かったよ。仕事はセーブして出来るだけ学校に行くよ。」
「分かれば宜しい。」
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