カルテNo.7 どの世界にも宗教や習慣があるもの

ヘパイト月といえど、まだ残暑が厳しい時期で寝巻きは自然と薄着になってしまう。だけど、私の寝巻き姿はキャミソールにパンティだけという……


私はリクト君が何故ジト目で見ながらも少し顔を赤くしてしまったのかが今なら理解出来る。年頃の男の子には異性の素肌って刺激的というか。


めちゃくちゃ恥ずかしいじゃん私……


私はそう思いながら櫛で髪を溶かしてから着替えてお団子頭にしてから下に降りてリビングへと向かい私とキャビンとリクト君でお昼を食べる。


「カラカラ、おはようございます。桃香様、こんな時間までグースカと寝てご飯を食べるとは良い御身分ですわね。」


「煩いわね。ちゃんと生活出来てるから良いじゃない?」


「それに比べてリクト様は、この家に来てから毎朝は私より早く起きて朝のトレーニングをして私のお手伝いをしてくださいます。」


「いや、そんな褒められるもんじゃないですよ。俺、居候の身だし……」


そう、リクト君は今は私と一緒に同居しているのよね。病院がミラージュ・ファミリーに襲撃されてから元々はマヤローモの病院とミラージュ・ファミリーを倒しながら生活やワスア魔法学校の学費を自分

で稼いでいたみたい。


だけど、病院が復旧中はリクト君も暫くはお休み状態で補償が70%じゃ生活が難しいんじゃないか?って思って部屋も沢山余ってるから私の家へどう?って誘ったのよね。


それでリクト君の住んでる場所から荷物を引っ越し業者にやろうとリクト君の家に行ったけど安い賃貸で過ごしているみたい。


部屋も質素でベッドと机と椅子にテーブル、学校の教科書と制服に病院で着る白衣とシンプルな私服。そして小さい時にリクト君の家族で撮影された写真と大きくなってから撮ったリクト君と女の人とツーショットの写真。


女の人は先の大戦で殉職したリクト君のお姉さんみたい。リクト君を見守る様に優しく見つめるお姉さん。もし生きていたら私と歳が近かったらしい。


大戦時には制空のヴァルキリー(戦乙女)と敵からも味方からもそう呼ばれたみたい。

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