カルテNo.7 どの世界にも宗教や習慣があるもの

ジリリリリリリリ……


「うーん……眠いわ。」


部屋中から響き渡る騒音に近い目覚まし時計を止めて私はベッドからゆっくりと起き上がる。私はカレンダーを見てみる今日はヘパイト月9日。フレイアの日。


私の居た世界では9月9日の金曜日って所かしら。平日だけど仕事は休みって言うより今の私はニート同然である。


なんでかって言うと、この前のミラージュ・ファミリーによるマヤローモ総合病院での襲撃の際、建物は所々、壊れてしまい今、復旧作業であるという事。


別の場所を借りてマヤローモ総合病院自体はやっているが、広大な敷地を必要とするため、患者さん受け入れてで部屋がいっぱいで、私は言ってしまえばバイトなので暫くはお休み。


幸い病院側の手厚い補償で出勤日数分の70%ほどの休業手当はもらっているし、クマ吉からの生活費を貰っているのとミラージュ・ファミリーを倒した宝石換金で生活は変わらなく出来ている。


そんで私はと言うと時間があるので自分が開く予定の接骨院の様子をちょこちょこと見に行きながら軽くランチ食べてるという平穏そのもの。


マヤローモ総合病院の襲撃以降は何故かパッタリと私の周りでミラージュファミリーは現れていない。


何とも不気味と言って良いほどの平和。


それと私の身の回りで変わった事と言えば……


「日野先生、もう良い時間だぞ?まだ寝てるのか?」


「え?!うん!今、起きた所!少し待ってて!」


リクト君は私の部屋越しにノックをしてから私は慌てて飛び起きた瞬間に部屋の扉をガチャリと開ける。


「……」


「えっ……あぁ、ごめんね?」


リクト君が部屋に入ると寝起きのボサボサ頭に寝巻き姿の私を見てジト目で私を見るリクト君。幻滅しちゃったよね……


「あぁ……悪い。何も見てないから。うん、ごめん。」


リクト君は何故か顔を赤くしながら部屋を静かに出て行ってから階段を降りていく。


まぁ、普段の私はそれなりに身だしなみに気を遣ってるから寝起きの差が酷いから仕方ないよね……


アレ?


私はあることに気が付いてしまった……



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る