カルテNo.7 どの世界にも宗教や習慣があるもの

「ぎゃあぁぁああ!痛い!痛い!痛い!!痛いッ!!痛い……」


アブリルがそう呟いた後にアイアン・メイデンはヒャクアシを触手で中へと引きずり込み、ゆっくりとそのマントを閉じるとヒャクアシは阿鼻叫喚の叫びを上げて逆五芒星を描きながら最後に絶命する。


そしてアイアン・メイデンからはヒャクアシの血液がジワジワと溢れ出てきてからアブリルはマッドヌーの変身を解除するとアブリルは元に戻り、アイアン・メイデンも消え去る。


そして、地面にはミラージュ・ファミリーが死んだ時に現れるスピネルの宝石が埋め込まれた指輪をアブリルは拾う。


「これで換金すれば食い扶持は暫くは持つな。ちょうど金欠気味だったから煙草買えるか不安だったけど、コレなら今日ぐらいは良い酒が飲めそうだな。」


アブリルはそう呟いてからスピネルの宝石が埋め込まれた指輪をレザージャケットの内ポケットにしまい、その場を後にしようとしたら誰かの気配に気付く。


「おい、コソコソ隠れてないで出てこいよ。さっきからバレバレなんだよ。」


「随分と勘が良いな。」


「殺気剥き出しでバレねぇわけねぇだろバーカ。そんで何の用?」


そう言って岩場から現れたのはミラージュ・ファミリーの幹部で懸賞金1億3000万マルク、【死神】スカル・レイだ。


「教会の中でも武装集団パラスメントとは別で【魔人狩り】、【ダリア】の名前を持つ【闇の教会】と言われる第12師団の奴とはな。オレも見るのは久方ぶりだ。」


「だから何なんだよ?やる気?別に良いよ。ついでにお前の首で働かなくても済みそうだし。」


「ほう、ここ最近でオレに挑む奴が多いけど、オレはお前達、教会に宣戦布告をしにきたのさ。」


「宣戦布告?」


「そうだ。お前ら教会が持つ聖遺物をミラージュ・ファミリーが貰い受けるって言うな。そう言う事だ。」


「おい!てめぇ!」


スカル・レイはそう言った後、上空からチャックのファスナーが開かれてその中へ飛び込むとアブリルから姿を消してしまう。


「チッ!ふざけやがって!」


アブリルは煙草を吸いながら悪態をついてその場を後にする。



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