カルテNo.7 どの世界にも宗教や習慣があるもの

「ミラージュ・ファミリーの始末は第1〜第5師団のパラスメントの役割じゃねぇかよ?お前らだけじゃ手に負えねぇって言うから本来なら存在しないアタシら第12師団が派遣されたんじゃねぇか?」


「た、確かにそうだが、民衆の目も……」


「黙れよ。こっちは金の為にやってるんだよ?祈りや信仰だけで腹が膨れるのか?生活出来るのか?アタシが教会に所属の条件はミラージュ・ファミリーを始末する代わりに信仰や祈りは一切しない主義思想は押し付けないのが条件だ。その意味が分かるか?それ以上言うなら、パラスメントのお偉いさんにチクっても良いんだぞ?」


「申し訳なかった。だが、せめて喫煙は人目のつかない所でやってもらいたい。どうか頼みます。」


「ちっ!仕方ねぇな。アンタらにはアンタらの面子があるからな。あー……イライラした。」


アブリルは吸い切ったタバコを地面に捨てて靴で火を消した後に路地裏に向かい再びタバコを取り出して火を着けてから一服し始める。


「はぁ〜……教会の規則とか戒律って怠いったらありゃしねぇわ。まぁ、アタシは第12師団。【ダリアのユガ】の名前をもつ師団。通称、裏切りの名前。」


アブリルはタバコを吸い込みながら溜め息を吐き、タバコの灰を地面に落とす。


『こちらパラスメント第2師団!ミラージュ・ファミリーが現れた至急!応援を頼む!繰り返す!こちらパラスメント第2師団。ミラージュ・ファミリーが……』


「どうやら敵が現れたみたいだな。ふぅ……」


するとアブリルの無線のイヤホンから応答が入るとタバコを口に咥えながらニヤリと笑いながら無線の続きを聞く。


『場所はイリノダキ地区!懸賞金580万マルク、インセット部隊【毒槍の魔女】ヒャクアシです!』


「イリノダキ地区か。ここからなら近いなっと!!」


するとアブリルは路地と路地の間にある壁を蹴り上げながら屋根の上に登り煙草を咥えたまんまミラージュ・ファミリーが現れたイリノダキ地区へと屋根の上を駆け足で向かう。



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