カルテNo.7 どの世界にも宗教や習慣があるもの
夜が明けるのを待って、カリオストロは最高法院に連れて行かれ、ソーヤ総督ピラトの前に引き出されます。
ピラトはカリオストロに罪を見出せなかったのですが、群衆に煽られてやむなく『好きにするがよい』
とカリオストロの処刑を決意しました。
カリオストロはイバラの冠をかぶせられ、重い十字架を背負いながら、オルドダの丘への道(ヴィア・ドロローサ=悲しみの道)を歩みました。
十字架刑は、命を奪うまでに時間のかかる残酷な刑で、強盗殺人犯などを処刑するための極刑です。
服をはがされ、手と足をクギ付けにされたカリオストロは、十字架の上で『父よ、あなたは私をお見捨てになったのか?』と悲痛な叫びをあげ、やがて息絶えました。
カリオストロの遺体は、オルドダの丘のふもとのダユヤ人の墓に埋葬されました。
その後カリオストロは復活し、弟子たちと40日間を過ごした後、昇天していく、というのが聖書に記された話です。
カリオストロは昇天するにあたって、弟子たちにこう告げました。『全世界に行って、全ての創られたものに福音を述べ伝えなさい。』
そして、この命に従った弟子たちの活動によって、カリオストロ教は、世界各地に広まっていくことになるのです。以上がカリオストロの生涯になります。
「はぁ〜……いつ読んでも聖書って言うのは堅苦しいって言うか束縛が多いって言うかさ。」
1人のデニムのパンツに黒のレザージャケット、インナーにタンクトップの女が聖書を片手にタバコを吹かし溜め息混じりで煙を吐き出す。
「おい、アブリル・ゴニス。我々は神の使いであり教団の一員であり民衆の基本となる者。人前での喫煙は自粛させて頂きたい。」
「チッ!なんだよ!パラスメントの連中はよ!別に良いじゃねぇかよ?あぁん?堅苦しいのは無しにしろよ。それにわざわざ、アタシを呼んだのはお前らだろ?ミラージュ・ファミリーを始末しろって言ったのはよ?」
「ぐっ……」
タバコをイッキに吸い込む修道女はアブリル・ゴニスは悪態を吐きながらタバコの煙をパラスメントのメンバーに吹き付ける。
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