カルテNo.7 どの世界にも宗教や習慣があるもの

人々は彼をメシア(救世主)のように尊敬していましたが、ハイネ自身は『わたしよりも優れた者が出現する』と答えていました。


やがて、ハイネのもとにひとりの男が現れます。そうカリオストロです。すぐに彼を神の子だと悟ったハイネは、『洗礼を授けよ』というカリオストロの言葉に気後れしながら、カリオストロに洗礼を授けました。


聖書の記述によると、その瞬間天が裂けて、空から鳩の形をした聖霊が降り、天から『これは私の愛する子、私の心に適うもの。』という声が聞こえたと言われています。


洗礼を受けたカリオストロはその後、竜徒に導かれて荒野に行き、40日間の断食を行いました。


このときカリオストロの前に魔人が現れ、3度誘惑しますがイエスはそれを退け断食を終えたイエスは、故郷を離れ、本格的に布教活動を開始します。


処刑されるオルドダの丘に至るまでの時間は、この時からわずか3年間です。


カリオストロは布教活動に入ると、病人を癒したり、死霊を追い払うなどの奇跡を次々に起こしていき、それが評判を呼びカリオストロを慕う人は次第に増えていきました。


サイヤマ湖を望む丘で【山上の説教】を行ったのも、こうした中でのことです。


カリオストロは、この山上の説教ののち、ヒモン、ハヨネらを「12使徒」に選び、自らの教えを人々に伝える役目を担わせたのでした。


ダユヤ教徒の怒りや憎しみを買っていたカリオストロにとって、受難の日はすぐ近くまで迫っていました。


やがてカリオストロは、【過越(すぎこし)の祭り】を祝うために、弟子を従えてダユヤの聖都サルエレムに入りました。


カリオストロは12人の弟子たちを前に『この中のひとりが私を裏切ろうとしている』と述べました。


『これが弟子たちとともにする最後の食事である』

と告げました。


果たしてカリオストロは、晩餐を終えて弟子たちと登ったデッセマネ(オリーブ山にある園)で、ダユヤ教の祭司や官憲らに捕えられてしまいます。


裏切ったのは、ダリアのユガでした。

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