カルテNo.7 どの世界にも宗教や習慣があるもの
ある日、イヴが一人でいるところに1人の【竜徒】が近寄ってきました。その竜徒とは元々は神の使いであり、カザムとレダを唆した事で魔人となってしまうのです。
『お嬢さん、お嬢さん。善し悪しの知識の実は食べたことがあるかな?』
『あら、こんにちは。あの実はカザムが食べてはいけないと言っていたわ。食べたら死んでしまうって。』
『ふふっ、何も知らない憐れなお嬢さん。本当のことを知らないんだね』
『本当のこと?』
気にしてはいけないと思いつつも、レダの好奇心はどんどん高まっていきます。
『本当のことって何?』
『知識の実を食べたところで死なないよ。それどころか知識がついて、お嬢さんは神のようになれるよ。』
『本当かしら……?』
イヴは蛇の言うことが真実かどうかは分かりませんでした。
『興味があるなら試してごらんよ?』
竜徒は善し悪しの知識の実をイヴに差し出してそれをレダは受け取り、そっとその実に口をつけました。
『どうだい?何ともならないだろう?』
イヴが知識の実を食べたのを確認して竜徒が言いました。すると、いつまでたっても帰ってこないレダを心配したのかカザムがやってきました。
『イヴ、そんなところで何をしているんだい?』
『カザム、善し悪しの知識の実は食べても死なないわ。どうぞ、あなたも食べてみて?』
『えっ、本当かい?』
カザムはレダにすすめられるがままに知識の実をかじりました。2人とも知識の実を食べた後に、お互いを改めて見ると全裸であることが以上に恥ずかしくなってきました。
2人は急いで近くにあったイチジクの葉でお互いの腰回りを隠しだしました。
イチジクの葉でお互いの身体を隠すようになった2人を見て、神は二人が知識の実を食べたことを悟りました。
約束を守らなかった二人に神は激怒し、罰を与えました。
それぞれの罰とは……
カザムは額に汗をかくほど労働しなければ食料が手に出来ない苦労を背負う。
レダは出産の時に壮絶な痛みを伴う。
竜徒は神の使いでも人間でもなく魔人と呼ばれながら迫害を受けるようになります。
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