カルテNo.6 人生って1回きりだから悔いなく今を生きよう

私とリクト君はそれを聞いて顔を驚かせながらお互いに目を合わせる。それはちょっと前にマヤローモの旧病棟の地下で遭遇した大戦時の生物兵器オベリスクにU-ウィルスとアームストロング・ストロング・サイクロンジェット・アームストロング砲といった数々。


「おい、シャーカ。そっちの成果はどうなのじゃ?」


「あー……それがね。あの2人に見事にやられちゃって……アハハ……」


「はぁ……まぁ良い。今回の作戦はあくまでも生物兵器のサンプル回収。コレはプラスアルファだからボスもお咎めはしないじゃろう。しかし、部下を失った事は気を良くしないと思うがな。」


「相変わらず手厳しいなナージャちゃん。」


「ふん。ワシの部下は死んだらそこまで生き残れるやつが着いてこれれば良い。」


「まぁまぁそう言わないの。そう言う事でウチら引き上げるからバイバーイ!」


シャーカとナージャは私達の存在をガン無視するかのように雑談するだけして勝手に引き上げようとしているから、その姿にイラついたリクト君が2人に歩み寄る。


「おい、勝手な事しておいて、ハイさよなら?てめぇら。」


「ほう貴様、良い度胸じゃの。この満身創痍でワシとやるつもりか?」


「上等だ。まとめて始末してやる。」


「クククク……面白いな小僧。だが……テン・グラヴィティ(重力10倍)。」


「何?!グッ……」


「リクト君!ウェ!」


ナージャが錫杖を構えてから呪文を唱えると私とリクト君は重力に押し潰されてしまい立つことさえ出来ずに地面に這いずるように倒れ込む。


「今日の所は引き上げるが、次会った時は潰すからのぉ。」


「それじゃあ、また今度ね!」


そう言ってシャーカとナージャは時空の裂け目の中に入り込むとチャックのファスナーは閉じられると私とリクト君は重力から解放されて私はリクト君の所へ行く。


「リクト君……」


「大丈夫だ。それより日野先生は?」


「私は大丈夫。」


「ミラージュ・ファミリー……」


「リクト君……」


リクト君は苦虫を噛み潰したように顔をしかめて床に拳を叩きつけるリクト君。


こうして私とリクト君はミラージュ・ファミリーに苦い思いをさせられた今回の一件は幕を閉じた。

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