カルテNo.6 人生って1回きりだから悔いなく今を生きよう
「そうだな。彼女にもしっかりとお礼を言わなくてはいけないな。」
「ライオンのお兄ちゃん。」
「なんだ?」
そこへお父さんの後ろに居たリリーナちゃんがひょっこりと現れてお人形の様な可愛い笑顔でリクト君に言ってくる。
「早く桃香先生の所に行ってあげて?」
「そのつもりだ。」
「へへーん。お姫様を助けにいくのは王子様の役目だからね?」
「ったく、ませてるな……スカイ・ウォーク!」
そう照れ臭そうにリクトは言って、この場から立ち去ると、その会話を聞いていたリリーナちゃんのお父さんはキョトンとした顔でリリーナちゃんに質問する。
「リリーナ。王子様ってどういう事だい?」
「うーん……内緒!」
リリーナちゃんのお父さんは首を傾げてまぁ良いかって感じで現場に戻るのであった。
そして場所は変わって病院内のロビーでは……
「クラクラクラ!どうだ?人間共!怖いっすか?怖いっすよね!変な気を起こして逃げようとすれば、こんな風にちょん切りっす!クラクラクラ!」
ミラージュ・ファミリーのフルッティ部隊である甲殻使いのロブスンは片手鋏をチョキチョキと威嚇するように人質達に音を鳴らす。
人質達は恐怖に怯えて下手に動けないでいるのだ。それもそのはず、ロブスンの言う通り変な気を起こせば先程みたいに身体がちょん切られてしまうから……
私はと言うと少し離れた建物が崩れてた場所からロブスンに気付かれない様にひっそりと隠れて様子を伺っていた。
「全く酷い連中……」
私はすぐにでも助けに行きたいけど、ロブスンに人質が取られている状況だし、私が下手に動こうとすれば人質達が危なくなる。どうすれば良いかしら?
だけど早く人質達を助けたい。どうする?どうするの私?
私は焦りが目立つ中でハッと思い出した。
確かリクト君が持ってきてくれって言われた中の1つに生理食塩水と除細動器(電気ショック)を持ってるだったわ。
コレならあのロブスンを確実に仕留められるかもしれない。チャンスは1回きり。もし外せば……
いや、今は私がやるしかないわ!
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