カルテNo.6 人生って1回きりだから悔いなく今を生きよう

「キリキリ。それが気のせいじゃないんだよね。キリキリ。」


そして彼女に対して心の安堵をぶち壊すかのように目の前にはミラージュのインセット部隊である【弓矢使いマンティ】の姿が立ち尽くしている。


「あ……はぁ、はぁ……」


「キリキリ、お嬢ちゃんがリリーナ・ダヌシカだね?オデ、探したよぉ。キシシシシ。」


「や、やだ……」


リリーナちゃんは突然の恐怖に悲鳴さえ出せずに取った行動は逃げるしかない。急いで車椅子から立ち上がり逃げようとするが、身体の不自由な彼女は走って逃げるどころか立ち上がるのも困難だ。


「キリキリ。オデをそんなに怖がらなくても良いじゃない?こう見えてオデは魔族の間ではモテモテなんだけどなぁ?キリキリ。」


マンティは這いずってでも逃げようとするリリーナちゃんにジワリ、ジワリと不気味に笑いながら近づいていく。


「こ、来ないで!やだ!」


「キリキリ、大丈夫だよ。お嬢ちゃん。お嬢ちゃんはオデに大人しく捕まっててもらえれば無事で居るからさ。大人しくしてればね!キリキリ!」


這いずってでも逃げようとするリリーナちゃんの抵抗は虚しくマンティによって捕まりそうな瞬間。


「キョリ・ツメ!スカイ・ウォーク!」


リリーナちゃんがマンティに捕まる間一髪でリクト君が高速で移動してリリーナちゃんを抱きかかえながらマンティの側から離れる。


「リリーナちゃん!」


「桃香先生とライオンのお兄ちゃん?」


「ふぅ、間一髪だったな。大丈夫か?嬢ちゃん。」


リリーナちゃんは最初は何が起きたのか分からなかったみたいで私達の顔を見つめて暫くすると可愛い瞳から涙が零れ落ちてくる。


「ももがぜんせーい!」


「もう大丈夫よ。大丈夫。私達が助けにきたからね。」


「せんせーい!ごわかったぁ!」


「そうだね?怖かったよね?もう大丈夫だから泣かないでね?後は私達に任せて。リクト君、リリーナちゃんを安全な所へお願いして良い?」


「分かった。気を付けてな。日野先生。」


「もちろんよ。じゃあ、さっきの手筈通りにね。」


「あぁ。じゃあ嬢ちゃん、しっかり俺に捕まってろよ?」


「うん。ライオンのお兄ちゃん。」


「スカイ・ウォーク」




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