カルテNo.6 人生って1回きりだから悔いなく今を生きよう

「……っ!!」


私は、たまたま見てしまい思わず酷い惨状に声を出そうとするがリクト君の手が私の口を塞ぐ。


「日野先生。声を上げると次は日野先生がやられるかもしれない。良いか?今から俺が言うことはイエスなら首を縦にノーなら首を横に振ってくれ。」


私は無言で首を縦に振ってからリクト君は話を続ける。


「取り敢えず今はここから抜け出す事だ。幸い俺らは天井から落ちたコンクリートであったから俺らは死角になっているし、距離的にも離れてる。物音を立てずに慎重に今はここから立ち去る。良いか?」


私は分かったって言う意味で黙りながら首を縦に振ってからリクト君と一緒に物音を立てずにしゃがみながら、その場から立ち去り曲がり角を曲がってから立ち上がり静かに走り安全な所まで走る。


「ここなら大丈夫そうだな。」


取り敢えず、表正面玄関前の受付から遠ざかり人が居ない所まで来てから、まずは一安心なんだけど私には何が起きたのか、さっぱり理解出来ていない。


「いったい、どうして、ミラージュ・ファミリーが?!」


「それは俺にも分かんねぇ。だけど、何か変だ。」


「何処が変なのよ?」


「アラームが鳴ってない。」


「え?どう言う事?」


「普通だったらミラージュ・ファミリーが現れるとアラームが鳴るはずなんだ。」


「確かに言われてみると、ミラージュ・ファミリーが現れるとアラームが鳴るのに……」


リクト君から言われて思い出してみると私がミラージュ・ファミリーと戦闘をやった時は必ずアラームが鳴っていたのに今回はアラームが鳴ってない。


「でもどうして?」


「どうしてって……日野先生知らないのか?みんな知ってるんだけどな。」


「え?まぁね。私はおバカだから教えてくれない?」


「そんな胸張って言う事かよ……仕方ねぇから教えるよ。」


リクト君。申し訳ないけど私は別の世界から来た三十路の処女って言うよりおバカ設定の方が今は話がややこしくならないから、そう言うしかないの……


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