カルテNo.6 人生って1回きりだから悔いなく今を生きよう
「えぇ、まぁ、ちょっと昨日、忘れ物して帰っちゃってさ……」
「……」
「な、なによ?!」
リクトは私をジト目で見ては呆れた顔をしながら私に対して溜め息を吐くような勢いだ。だ、誰だって忘れ物の1つや2つや3つ……3つは多いかも?
最近の私って物忘れが多い様な気がする。まさか、歳のせい?いや!な、何を言ってるの!私はまだ30歳!オバサンじゃなくてお姉さんよ!
「まぁ、俺はてっきり、休みなのに間違えて出勤してきたのかと思ってビックリしたけどな。」
「し、失礼ね!そんなドジじゃないわよ!」
「はいはい。それと、その手荷物は?」
「え?これ?コレは私が今リハビリ担当しているリリーナちゃんっていう娘にお見舞いついでにね。」
「リリーナ?もしかしてリリーナ・ダヌシカか?」
「えぇ、そうだけど?リクト君のお知り合い?」
「知り合いって言うか、アイツの親父が有名でな。」
「リリーナちゃんのお父さんが?」
「あぁ、何でも教会の武装集団パラスメントのお偉いさんらしくてな。何でもこの病院に多額の給付金を募金しているみたいでな。」
「そうなんだ。それにその娘が入院中で今日は朝から見舞いに来ているから他の先生達の雰囲気がピリついてるから気疲れするんだよな。」
リクト君は面倒くさそうな顔をしながら頭をポリポリとかいてから続けて話す。
「それに何か、ここ最近は教会の武装集団を解体しろという脅しの文書が送られているらしくてな。」
「それってどういう事よ?」
「本来、教会ってアレだろ?俺達一般市民や人々の暮らしの平和を神様に祈るべき場所なのに武装組織を作って【戦力】として保持して良いものか?って思う奴もいるだろ?」
「確かにそうよね。」
「んで、聞いた話だと脅しの内容としては、武装集団パラスメントを解体しなければ身内に危害を及ぼすって言う噂らしいぞ。」
「……」
なんだか物騒な噂が立ち込んでいるみたいね。それって、つまり考えてみるとリリーナちゃんにも危害が及ぶって言う可能性もあるって事よね?
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