カルテNo.6 人生って1回きりだから悔いなく今を生きよう
「大丈夫、大丈夫よ。泣きたい時は沢山泣いて良いんだからね?」
「うん……」
私はリリーナちゃんを抱きしめながら頭をポンポンすると、リリーナちゃんは声には出してないけど泣いているのは分かる。恐らくリリーナちゃん自身も長いこと、ずっと何か我慢してきたのだろう。
それで何かのキッカケで、その感情が蘇って自分でも訳が分からず泣いてしまっているんだと私は考えていた。
「桃香先生……」
「どうしたの?」
「桃香先生は手も身体も私と違って暖かいね。」
「そうなのかな?」
「私、手とか身体が冷たいからさ……」
「そんな気にしなくても良いのよ。ほら、手が冷たい人って心が優しい人ってよく言うから、リリーナちゃんは優しいから手が冷たいんじゃない?」
「そんな事ない……」
「え?」
「桃香先生の方がずっと優しくて綺麗だもん。」
「そんな事ないわよ。私から見たらリリーナちゃんの方がお人形さんみたいで可愛いのに。」
「むぅ……そ、それに桃香先生の方が、お、おっぱいとか大きいじゃん!」
「え?あぁ、ほらリリーナちゃんももう少ししたら大きくなるわよ?」
「私、もう15歳なのにおっぱいペッタンコだもん……」
リリーナちゃんは両手で自分の胸をなぞりながらブゥ〜っと頬を膨らませながら口を尖らせてイジケてしまう。やばい、地雷を踏んでしまったわ……
「わ、私もほら、少し遅かったから大丈夫よ!人それぞれだからさ!それに大きいと可愛い下着とか付けられないし、小さい方が可愛い下着とかつけられるよ?」
「ぶぅ〜……桃香先生それ嫌味……」
「……」
励ましたつもりが余計に地雷を踏んでしまってリリーナちゃんを更に落ち込ませてしまう私。私のバカ……
「うふふ。冗談だよ。ごめんね?」
「なんだ。冗談か!アハハハハ。」
私は乾いた笑いしか出なかった。なんで乾いた笑いしか出なかったって言うと、リリーナちゃんの目が完全に笑ってなかったのが理解出来たからだ。
「あのね。桃香先生。」
「ん?どうしたの?」
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