カルテNo.5 夜の病院って怖いかエロスなイメージだよね

ポタ、ポタっと落ちてくる血は何処からだろうか?っと思いながら辺りを見回すと前でも後ろでもない。じゃあ何処からだと思う?


答えは天井を這いずりながらトカゲの様に動いて来たのがヤツだ。ソイツらと違い皮膚はただれていなくて全身が筋肉によって強靭な肉体となっており、顔は脳が発達しすぎているのか剥き出し状態。


それに長い舌でペロリとヨダレを垂らしているけど、キャビンが先ほど、レイピアで切ったせいか少しばかり出血している。何よりも手から鉤爪の様なモノが伸び出ていて、足も発達しているお陰か天井を這いずる様に動いている。


「何よ……アレ?」


「さっきのソイツらとは違うな……」


「恐らくソイツらとは別に進化でもした様に思えますね。」


【ピンポーン、ピンポーン!正解。ソイツらはU-ウィルスが突然変異して独自に進化したヤツだ。まぁ、せいぜい倒してみたまえ。】


「このっ!」


死霊魔導師メルザードの挑発に私はトォーズ・ウィップでヤツの頭を目掛けて鞭をしならせるがいとも簡単にアッサリと避けられてしまう。


「早い……」


「フィンガー・バレッタ!」


すると間髪入れずにリクト君はヤツの剥き出しの脳みそに向けて高速の貫手を喰らわそうとするが天井から地面へとヒラリと避けて着地しながら、長い舌を垂らしながら私達の様子を伺う。


「ちっ。面倒なヤツだな。」


「カラカラ、それでは私が行きましょうか。」


「キャビンさん?」


「キャビンが言うならここはキャビンに任せましょう。」


「そうだな。キャビンさん大丈夫か?」


「カラカラ。この早斬りのキャビンの名前は伊達ではないですわ。」


そしてキャビンはノーガードのまんまレイピアを構えて颯爽と歩き始めると呪文を唱え始める。いったいどうやってヤツを倒すんだろう?


「ティポクワトロ・ファンガー・ポルカ。」


そう唱えるとキャビンはヤツを歩いたまんま通り過ぎて行くではないか。アレ?もしかしてキャビンったら失敗しちゃったのかしら?


「あぁ、もう突き殺しちゃいましたよ?」

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