カルテNo.5 夜の病院って怖いかエロスなイメージだよね
「先程も仰った通り第二次魔人大戦は血で血を洗う泥沼の大戦であったが故に兵士の死傷者が多数。これ以上、死傷者を出さない為にも死なない兵士が事の発端になっています。」
「死なない兵士ね。」
確かに戦争の戦場においては武器や兵力が大きければ、大きいほど戦いにおいては有利になる。その場合はどれだけの死傷者を出さないで勝利に導くかが鍵となる。それがアンデット兵士計画の発端になるわけね。
「そこで、この計画書をざっとですが、読んでみた感じ死んだ者を魂を憑依して生き返らせるという者。簡単に言えば死霊魔導師の生産という訳です。」
「どういう事よ?」
「本来、死霊魔導師というのは何かの無念や思いが強すぎる故に死してなお自分の魂を自分の肉体に憑依させて死霊魔導師となるのですが、このアンデット兵士計画書によると、霊界から魂を呼び出して、自分の肉体とは関係のない者を憑依させるという事です。」
「どういう事?」
「つまりアレだろ例えば、戦場で亡くなった奴がAとして、霊界からAとは別の魂であるBをAの肉体に憑依させるという事だろ?」
「カラカラ、まさしくリクト様の言う通りでございます。肉体Aが使っていた魔法や魔装具などが扱い、霊界から呼び寄せた魂Bの記憶によってまた別の魔法や魔装具が使える事によってAとBが組み合わさり死霊魔導師として生きて戦場へ放り込まれるという訳です。」
「そ、そんなのってアリなの?」
「理論的には出来ます。だけど、コレは倫理や道徳に反したやり方でありますので許される事ではありませんし、現に計画書には魂と肉体がお互いに他人のモノですので拒絶反応も起きて成功したのは全体の2割とされています。」
「じゃあ、実験に使われた肉体と魂はどうなるのよ?」
「恐らく肉体の方は遺棄された可能性が高いと思われますし、魂の方は成仏が出来なければ死霊として彷徨っている可能性が高いです。」
「そんな……」
「所がですね。このアンデット兵士計画書には死霊魔導師の生産以外にもこの様な事が書かれています。」
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