カルテNo.5 夜の病院って怖いかエロスなイメージだよね

「カラカラ、確かにそうですね。見た所、空間を操る魔導師に見えましたので、それに……」


「それに?」


「恐らくですけど骨格からしてあのメルザードという死霊魔導師は魔人族と考えられます。」


「魔人の死霊魔導師?」


「はい。かつて空間を操り、一切の手を汚さず敵を降伏させたという魔人メルザードという者が大昔ですがいらっしゃいました。」


「一切の手を汚さずって、どういう事なの?」


「はい、彼の戦闘スタイルというのは何かに囲まれた空間の中ならなんでも操る事が出来ると言われています。」


「例えば、どんな感じ?」


「例えば先程の様に部屋を強制的に移動させたり、部屋を右回転や左回転させたり、また前後にも回転させる事によって翻弄して最後には自分の仕掛けたトラップによって相手を亡き者にすると言われています。」


「そう考えると厄介だわ……」


「そうなると、もしキャビンさんの言う事が本当ならあのメルザードって言う死霊魔導師にこの札を貼り付けるにはいち早く奴の懐に飛び込むしかないって事だよな。」


「カラカラ。トラップも何を仕掛けられているか分かりませんのでお2人とも最新のご注意を払って……あら?」


キャビンは何か地雷を踏んだかの様に地面にあるスイッチを踏んづけてしまい、その瞬間に穴が開いてキャビンはその穴の中に落ちて姿を消してしまう。


「キャビン!」


「キャビンさん!」


私とリクト君は急いで穴に落ちてしまったキャビンに駆け寄るとキャビンは間一髪で穴の出入り口にプルプルと手を震わせながら掴んでいるけど、下をよく見てみると無数の針山のトラップがあるではないか。


「カラカラ、危うく串刺しにされる所でした。あっ!もう刺すほどの肉は無いんですけど!カラカラカラカラ。お2人共、私の様に簡単にトラップに引っ掛からない様にしましょうね。」


「「……」」


私とリクト君はジト目でキャビンを見ながら改めて落とし穴の底を見てみると無数の針山を見て、もし私が落ちるかと思うとゾッとしてくるわ。


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