カルテNo.5 夜の病院って怖いかエロスなイメージだよね

みんな黙ったまんまで聞こえてくるのは私達の足音だけで時間が時間なのだろう。物凄く何かが出てきそうな嫌な予感がしてくる。あんまり考えたくはないけど、私の嫌な予感って結構、当たるのよね。


それに、あの死霊魔導師のメルザードについてだわ。自分の責務を全うしているだけだけど、どうにかアイツには私達は敵ではないと認めてもらわないとだわ。


「キャビン少し聞きたい事があるんだけど?」


「カラカラ、どうかなさいました?」


「あのメルザードという死霊魔導師ってどうやったら良いのかしら?」


「そうですね。死霊魔導師というのは以前お伝えしました様に怨みが強過ぎて成仏出来ないって言うより、亡くなっても死霊魔導師って現世に未練タラタラで成仏出来ない幽霊になります。簡単な話で言えば成仏させれば良いのですよ。」


「成仏させれば良いって言うけど、そういう幽霊って中々、成仏させるなんて難しくない?」


「カラカラ。確かにそうですけど他に方法があるとすれば、このお札を貼り付けてあげれば事なきえますよ。」


キャビンはメイド服の懐から何か白い札に朱色の筆で描かれた訳の分からない文字を描いたお札を取り出すと私は歩きながらマジマジと見る。


「これは死霊を半強制的に霊界に送る呪符のお札です。コレを貼り付けられた死霊達は否が応でも現世から離れてしまいますので、コレで安心です。」


「なるほどね。コレを貼り付ければメルザードって言う死霊魔導師も暴走して私達が困る事は無さそうね。」


「でもよ。死霊魔導師って元々は高位魔導師だったんだろ?そんな奴が易々とこのお札を貼らしてくれるとは思えないんだけどさ?」


「「……」」


リクト君からの的確なツッコミに何も言い返せない私とキャビンは黙り込むしかない。リクト君の言う通りで死霊魔導師とは元々は生前は高位魔導師である為、生前の能力をそのまんま引き継いで現世を彷徨っている。


「じゃ、じゃあ、動きを止めれば良いんだじゃない?」


「そんな簡単な話じゃないと思うぜ?」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る