カルテNo.5 夜の病院って怖いかエロスなイメージだよね
その掛け布団に掛けられていたのは長年の間に放置されたと思われるミイラの遺体。ソレにもう白骨化もしているではないか……
「こ、これって……」
「なんだよコレ?」
リクト君はあまりにビックリし過ぎて声も出ないという状況で私は危うく腰が抜けて尻餅をついてしまう所だったけど私は後退りする中で、キャビンは黙ったまんま白骨化した遺体に近づく。
「もしもーし生きてますか?」
「なにをやってるの!キャビン!」
「そうですよ!そういうのは良くないですよ!キャビンさん!」
キャビンは白骨化したご遺体に指でコンコンしながら頭蓋骨を扉をノックするように叩いているのを私とリクト君は制止する。
「カラカラ、ジョークですよ。ジョーク。桃香様は知らないんですか?マヤローモジョークを?」
「……」
私はジト目でキャビンが訳の分からないジョークを言うからアイコンタクトでリクト君と目を合わせるけどリクト君は無言のまんま首を横に振るから、キャビンの口から出まかせだろう。
「ワイを目覚めさせたのはアンタらか?」
「「「っ?!」」」
すると、この部屋から何か怒りに満ちた声が聞こえてくるのが分かる。もちろん私ではないし、リクト君の声でもなければ、キャビンの声でもなかった。そうだとすると……まさか……ねぇ?
「ワイの安眠を妨害したのはアンタらか?!」
「え?え?!」
「やっぱり、空耳じゃなかったのか?」
「カラカラ、いったい誰の声でしょうかね?」
どうやら、私達は声の主の安眠を妨害したらしく何だかだいぶ機嫌が悪い様子。ってかさ、あんまり考えたくないけど、声の主ってやっぱりアレだよね?うん、アレだわ。
私は考えたくはなかったけど、明らかにベッドの上で寝てる白骨化したご遺体様が長い眠りから覚めたの如く飛び起きて目の部分は赤く光、口はパカパカと開閉を繰り返して腕組みをしながら宙に舞っている。
「ワイの名前はメルザード。古来よりこのマヤローモ総合病院を守護する死霊魔導師だ。」
「病院の守護?」
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