カルテNo.5 夜の病院って怖いかエロスなイメージだよね

「え?そ、そんな怖くなんかはないよ?」


「はぁ……」


「え?!な、なによ!」


「さっきから足が震えてるけど?」


「べ、別に怖がってなんか居ないわよ?!」


怖いくないって言えば嘘になるけど、やっぱり真っ暗な所でおまけに何か変な噂が出ていると所だと少しだけ、ほんの少ーしだけど怖くなっちゃうわよ?でも私の方が年上だししっかりしないとだからさ。


「あんまり無理しなくても良いんだぞ?日野先生。人は誰だって苦手の事や怖いものなんてあるんだからよ。」


「で、でも私の方がリクト君より年上だから、年上の私が怖がっていると……」


「じゃあ、コレなら怖くないだろ?」


「え?あ、あの……」


リクト君は私の左手を握ってくれて、私は戸惑いながらもリクト君の顔を向けると、少し恥ずかしがりながらも私の目を真っ直ぐに見つめてくれる。さっきまでは少しだけ怖かったのに……


少しだけあった恐怖心がリクト君が私の手を握ってくれる事で安心感に変わってくる。


「じゃあ、開けるぞ日野先生。」


「う、うん……」


リクト君は意を決して扉をスライドして開けてから部屋中を懐中電灯で照らしてみるけど、今までの部屋とは違う所があって、寝室ベッドが1台しかない。


「どうやらこの部屋はビップルームとかなのかな?」


「多分、そうだろうな。何か変じゃないか?」


「どの辺が?」


「今までの部屋はベッドがあっただけなのに、この部屋はベッドの上に布団まで敷いてあって丁寧に枕と掛け布団まで出されているぞ。」


「え?本当だ……」


私はリクト君に言われるまで全然気が付かなかったけど懐中電灯でベッドの方を照らしてみると今までの部屋は寝室のベッドだけだったけど、この部屋には寝室ベッドの上に布団まで敷いてあって丁寧に枕と掛け布団まで出されている。


「それに何か点滴なのかな?それまで置いてあるし、そのチューブがベッドの方まで繋がってるんだけど……」


「確認してみる。」


「え?え?!ちょ、ちょっ!ちょっと待って!」


リクト君が私の手を離してゆっくりと歩き出すと床の軋む音が聞こえてきて、この暗さといい不気味さが更に際立つ。

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