カルテNo.5 夜の病院って怖いかエロスなイメージだよね
「ねぇ、私の事が心配だったの?」
「はっ?!バカ!違ぇよ!そんなじゃねぇし!別に日野先生が心配で来たんじゃねぇよ!ほ、ほらアレだよ、俺もなんか、その噂が気になってだな……決して日野先生の事が心配で来たんじゃねぇよ!」
リクト君が珍しく慌てふためいて顔を茹でタコの様に真っ赤にして大声を出しているから、ちょっと可愛く見えるけど、コレ以上からかうと拗ねちゃうからコレくらいにしておくかな。
「でもね、リクト君。私1人でここの見回りが怖かったからリクト君が来てくれて凄く嬉しいの。ありがとう。」
「そ、そうかよ。じゃあ、早く見回り終わらせて帰ろうぜ。」
そう言いながらリクト君は前を向いて歩き出してから私はリクト君を追う様に歩き始める。なんだかんだ言ってもリクト君は不器用だけど優しいんだろうね。
そうじゃないと私の所へ来てくれないもの。そう思いながら旧病棟内を進んで行くと階段に辿り着く。
「行ってみるか。」
「え、えぇ。」
リクト君と私は階段を1段上がると老朽が進んでいるせいか軋む音が聞こえてくる。まぁまだ耐久性にはまだ大丈夫でしょう。1段また1段と上がって行くと病室部屋に着いてスライド式のドアを開けてみると寝室ベッドが置かれている。
恐らく相部屋だったのだろうか、部屋中を懐中電灯で照らしてみたらベッドは6台置いてあるけど特にコレといってない。リクト君も何もなさそうだと判断して無言のまんま次の部屋へ向かう。
「ここも特に異常はなさそうだな。」
「え、えぇ。何かの見間違いとか聞き間違いじゃないのかしら?」
「その方が良いんだけどな。」
「まぁね。」
正直言って何も起こらず帰れるのが1番良いんだけどね。だってアレじゃない?何かあったら色々と面倒な事が起きそうじゃないの?
「次がここの階で最後の部屋になるな。」
「そうね。早く行きましょう。」
「日野先生。」
「どうしたの?リクト君。」
リクト君はこの階の最後の部屋の前で足を止めて私の元へ後ろに振り向く。
「怖いか?」
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