カルテNo.4 仕事ばっかりの日々では疲れてしまう

私は右手を天にかざして呪文を唱えると右手に鉄が炎に熱されたように赤というより白に近い炎をまとい、そして、そこから煙が立ち込められたメリケンサックを手に取り、落下したまんま拳を握り込む。


「喰らいなさい!ウェェェエエエイッ!!!」


「ぐっはッ!熱い、なんだコレは?!」


「まだ立っていられるの?!」


「ぐっ、まさか、ここまでやられるとはな……」


どうしよう……インパクト・ナックルをまともに喰らって更に手応えも確かにあったのに、コイツはまだ立っていられるの?ダメだ。考えても仕方ないそれなら次の攻撃に……


「アレ……?」


「バッド・アロー。ここまでオレを追い込んだ事は褒めてやるが、このまま生かしてはおけない。死ね。」


「マズイ……」


私は急に目眩が出てきて足元が覚束なくなり片膝を地面に着いた瞬間をスカル・レイは見逃さなかった。マズイわ、同時に武器を使った反動で魔力を消費しすぎたのかも。このままだとやられちゃう……


スカル・レイは魔力エネルギーで込められた無数の矢を弓の弦から放たれた瞬間に私は走馬灯を見るようになった。産まれてから小学校、中学校、高校、専門学校、就職そしてこの世界に来てからの出来事が頭の中で流れてくる。


私はもう嫌でも悟るしかなかった。あぁ、もう私はここで死んでしまうんだな……


「ティポシンクエ・ウェポン・キャンセル!」


そう悟った時に私の目の前に突如として聞いた事ある声に見た事があるシルエット。その見事な剣捌きはスカル・レイが私に放った無数の矢を全て薙ぎ払いお陰で私は無傷で済んだのである。


「カラカラ。飛んで呼びでてジャジャジャーン!我が主人に牙を向けるとはミラージュ・ファミリーと言えど良い度胸ですわね。」


「お前は。」


「カラカラ。残念ながら貴女のお連れ様は、この私が成敗致しましたので、ここからはこのキャビンが相手しましょう。」


「ふん。」


すると、なんとスカル・レイは踵を返して私達に背を向け歩きながら続けて言うのである。


「今回は引かせてもらう。だが、次は必ず討ち取るぞ。」

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