カルテNo.3 どの世界でも生きるには働かなくちゃ
ヒラリ、ヒラリと舞い遊ぶ様に姿、見せるスロートって違うか。私の大好きなアーティストの曲を歌っても仕方ないわね。スロートじゃなくてアゲハ蝶だし……
何か、良い方法は必ずあるはず。空中戦が得意な人は何よりも人の死角となる頭の上を狙うわ。それはどんなに気を付けても防ぎ様がない戦法。スロートを倒すには更に上を狙うか身動きをが取れない様にするか。
だけど相手もそんなに馬鹿じゃないわ。敵が必ず空中戦を封じるって分かっているから、それなりの対策はしていると思う。
「ウヒヒヒィ。ネェちゃんが来ないなら、オイちゃんが仕掛けちゃうぜぇ。」
するとスロートは鎖を至るところ、そこら中に張り巡らせてしまい、気付いた時には私の逃げ場は無くなってしまい身動きが取れない状態。
「しまった!」
「ウヒヒヒィ。ムチムチのエロボディーのボンテージを引き裂いて遊ぼうぜぇネェちゃん。ウヒヒヒィ。」
「ちょ、やだ!スケベッ!来ないでよッ!!!」
「ウヒヒヒィ。嫌がった顔も、す・て・き!ウヒヒヒィ」
こんな所で私の大事な大事な貞操の危機。私はもうダメだと思い涙目で自分の目を瞑った瞬間にフワッと何やら甘いけど何処か色気のあるスパイキーな香りがするのが分かる。
「カマイタチ。」
「ぐふぇッ!」
私に襲い掛かろうとしたスロートは胸から腹まで何か大きな刃物で切り裂かれた様な綺麗な一文字の傷口からパックリと血が溢れ出す。
「貴方は?」
「……」
そう、あの見た者を凍りつかせる様な冷たい眼差し。金髪のロン毛に毛先が逆毛立っているウルフの髪型。口には牙のように伸びた八重歯が見えて両手はモフモフの腕に指先には鋭い爪。
そう。私を助けてくれたのは、あのライオンのような青年なのは間違いない。
「あ、ありがとう。」
「はぁ、敵にやられそうになって涙目とは情けない。」
「な、なによ!私だって女の子だから怖がっても仕方ないじゃないのよ!」
「じゃあ、女の子なら少し後ろに下がって見学してな。」
そう言うとライオンの青年は静かにスロートの元へ歩み出す。
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