カルテNo.3 どの世界でも生きるには働かなくちゃ

「行くぞ。ミラージュ・ファミリー【鎖使い】のスロート。キョリ・ツメ。」


するとライオンの青年は音も無く気配もなく私の前から消えたと思った瞬間にスロートの目の前に現れる。


「なにぃ!ぐあっ!」


「フィンガー・バレッタ。遅いんだよ、あんた。」


ライオンの青年はスロートの切り裂いた一文字の傷口を抉る様に鋭い爪を突き刺す。


「こんなものでぇ!フン!」


「マントラ。」


スロートは苦し紛れにパンチや蹴りを繰り出すがライオンの青年は涼しげな顔をしながらヒラリ、ヒラリと暖簾に腕押しかの如くに避ける。


「ならばぁコレでどうだぁ。ウヒヒヒィ。」


スロートはコウモリの様な翼を羽ばたかせて空中へ一旦、退避する。恐らくだけど仮に私がスロートならそうするわね。


「はぁ、それで逃げたつもりか?スカイ・ウォーク。」


「なぬぅ?!」


「フィンガー・バレッタ。」


「ぐぅ!」


ライオンの青年は空中では優位と思い安心しきったのも束の間、ライオンの青年は空中を疾走して再び、その鋭い爪でスロートの胸を突き刺す。


「終わりだ。カマイタチ……?」


ライオンの青年は空中で疾走しながらスロートに蹴りを喰らわそうしたが蹴り上げようとした足が途中で止まる。


「ウヒヒヒィ。コレでお前は動けない。よくもオイちゃんを散々痛め付けてくれたなぁ!ウヒヒヒィ!!」


「コレは……目に見えるか見えないかの鎖か。」


「ご名答!ウヒヒヒィ!オイちゃんが空中に飛び上がった瞬間に……アレレ?」


「甘いわね。私がいる事も忘れないでね。」


「なにぃ?!」


スロートはライオンの青年を見えるか見えないかの細い鎖で拘束した瞬間に僅かな隙が見えた。その隙を突いて私は密かにバインド・ロープをスロートの見えない死角から拘束する事が出来た。


「さぁ、痺れるほどの性(ショウ)タイムの時間よ。この豚野郎!」


「だぁぁああ!痛い!けど何かクセになる〜。」


スロートはバインド・ロープに巻き付けられながら高圧の電流を浴びて空中から地面に叩き付けられる、わ


「さぁ、フィナーレよ。ピンヒール・キックッ!」

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