カルテNo.3 どの世界でも生きるには働かなくちゃ
全部を知る事は出来ないけど、さっきのリクト君自身の言い方だと何かしら過去に何かがあって逃げる事も頼る事も甘える事も許されないで、ただ前に進むしか出来なかったのかもしれない。
だから他人の優しさを感じ辛く、不器用でどうして良いのかも分からず自分に自信と余裕が持てなくて冷たくなってしまう時があるんだろうね。
そう考えていると数日前と同じく、あのサイレンが鳴り響く。それも今まで聞いたことが無いような一大事や不安を煽るようなサイレンの音が街中に鳴り響いてくる。
『緊急事態発生。緊急事態発生。ミラージュファミリーが現れた模様。至急市民の皆様は安全な建物や地下室に避難したください。繰り返します。ミラージュファミリーが現れた模様市民の皆様は安全な建物や地下室に避難してください。』
「何処かしら?」
私はポツリと周りを見渡すが幸いにもここには一般の人が居ない様子。あの緊急事態のサイレンが鳴り止んだ後に私の居る所は、さっきとは比べ物にならないほどの私自身が自分の心臓の鼓動が分かるほどに緊張感が漂う。
「ウヒヒヒ〜。」
「誰?!」
「こんな所に綺麗なオネェちゃん発見〜ウヒヒヒィ。」
「あなたは?」
私が振り返ると民家の屋根の上から私を見下ろす歪な顔立ちに長いヒゲを蓄えて頭には2本の角に背中にはコウモリの様な羽が2枚。コレって俗に言う悪魔ってやつ?
「おいちゃんはミラージュ・ファミリー。ディアボロ部隊のスロートって言うぜ〜ウヒヒヒィ。懸賞金は250万マルクだぜぇ。」
「あら、わざわざ全身が鎖で巻き付けて1人でソフトSM?中々の笑い物の格好をしているじゃない?」
「ウヒヒヒィ。おいちゃんがミラージュ・ファミリーを名乗ってビビらないネェちゃんはアンタが初めてだぜ?まぁ良い。手始めに、おいちゃんの大人の遊び相手になってくれないぃ?」
「悪いけど私こう見えて、そんなに安い女じゃないわよ?」
「ウヒヒヒィ。じゃあ、おいちゃんが優しく気持ち良くして、あ・げ・るぅぅううっ!!」
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