カルテNo.3 どの世界でも生きるには働かなくちゃ

まぁ、見た感じはみんな快く出迎えてくれてそうなので良しとしましょう。ワタル先生の話ではマヤローモ総合病院のやり方としては基本的に予約制になっている。


だいたい1人の患者で30分。午前の診療は9時から12時だけど、12時ギリギリでも予約は入る事があるみたいなので実質12時30分で午前の診療は終了でお昼休憩に入る。


午後はどうやら私の場合は入院患者のリハビリをやるみたいだ。オペをして寝ている状態だと筋力がすぐに弱ってしまうので私の役割は少しでも筋肉を動かして筋力低下を少しでも抑える事。


人間の筋力の場合は2日間ずっと寝たまんまの場合、約1年分の筋力が低下すると言われていて、寝たきりの人なんか誰かの手助けなしでは日常生活を送れない。


何でか?っていうと言ってしまえば筋肉というのは姿勢を維持をするだけでも筋肉を使っているからで、この世に重力がある限り私達は重力に逆らって生きているというわけだ。


日常生活を送るにも重力に逆らうだけの筋肉量が必要になり筋肉の特性上、筋肉は使わないとすぐに衰えてしまうという厄介な特性を持っている。


その為、最近の医療の現場においてはオペ後はわりかし早くに無理のない範囲で運動を勧められる。オペによって動かさないと筋肉がすぐに衰えてしまうため。


そのオペ後の筋力低下を防ぐためにリハビリとして私が任されたという事。まぁ、リハビリの仕事や病院での勤務も経験してみたかったのもあるから良いかな?


取り敢えず、早速9時の朝イチから予約が入っているので案内された医務室に待機して他の患者さんの予約とカルテを照らし合わせてみる。


朝イチの患者さんはミリア・ナタルさん。性別は女性で年齢は28歳。職業は専業主婦で主訴は右手の親指の痛み。


約3ヶ月前に出産して子供を抱く事が多くなり1ヶ月前からマヤローモ総合病院の整形外科に受診したが、レントゲン撮影をしたが以上なし。電気治療と飲み薬と湿布の処方のみで一向に改善が見られないため外傷科に回された。


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