カルテNo.3 どの世界でも生きるには働かなくちゃ

「まぁ、交渉してみるだけ交渉してみるわ。」


確かにキャビンの言う通り世の中イエスマンだと自分の中で不満が溜まって自分のストレスになって、それが原因で身体やメンタルを壊してしまうのが恐い。元々、私の悪い所でもあるんだけどね。


「あと、桃香様。」


「はいはい?」


「もし、マヤローモ総合病院で働くとしたら正社員より週3〜4日ほどで働いた方が良いかもしれませんね。そうしないと、休みの日に接骨院の内装や電線とかを見学しないといけないので、自分の時間も大切かと思われます。」


「それもそうね。言うだけ言ってみるし、条件が合わなければ止めれば良い話だしね。」


「カラカラ。その通りです。」


私は自宅の固定電話の受話器を取りダイヤルを回す。なんて言うかアンティークなデザインの固定電話ね。


『プルルルル……プルルルル……もしもし。マヤローモ総合病院のワタル・クラーノです。』


「あっ、もしもし。日野桃香です。ワタル先生ですか?」


『おぉ!日野さんでしたか!お手紙は読んで頂けました?』


「はい、その事でお話がございまして。」


『はい、なんでしょうか?』


「私としてもワタル先生のお誘いは大変有難いんですが、私は自分でその技術を活かした治療院を開業しようと考えてた矢先でして……」


『あぁ……そうなんですねぇ……』


「で、でも!もしワタル先生が良ければ期間限定でしたら良いですか?」


『え?!もちろんですよ!では、日野さんは明日って予定はありますか?』


「いえ!ありません!」


『では、明日詳しい給料形態や雇用など、病院の見学をして頂きましたので、よろしくお願いします。』


「いえ、こちらこそ宜しくお願いします。」


『では、明日10時にお待ちしておりますので宜しくお願いします。』


って言う感じで取り敢えずは週3日の勤務で給料は自給制のアルバイトとしてマヤローモ総合病院の外傷科を雇って頂く事になったのが事の経緯になる。


こんな私が総合病院で働かせて頂けるとはこんなに滅多な事はないけど今日が初出勤っていうのもあるし緊張感が凄い。


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